上汽集団の苦況の主因は、上汽VWと上汽GMの販売の大幅な落ち込みにある。上汽VWの年間販売台数は2018年の206万5000台から2023年には121万5000台に、上汽GMは同197万台から100万1000台にそれぞれ減少してしまった。
その背景には、中国の自動車市場で生じた急速なEVシフトがある。外資系合弁メーカーは製品開発や技術移転を本国の親会社に依存しており、中国市場の変化への対応が後手に回った。
上汽集団は独自ブランドのEVやPHVを次々に投入したが、上汽VWと上汽GMの落ち込みを埋めるには力不足なのが現実だ。
経営陣刷新で巻き返し
中国首位からの転落が現実味を増す中、上汽集団は経営陣の若返りを通じた自己変革に乗り出している。
同社は7月10日、経営トップの交代を発表。2014年から董事長(会長に相当)を務めてきた陳虹氏が定年退職し、総裁(社長に相当)の王暁秋氏が後任に就くと同時に、副総裁で46歳の賈健旭氏を総裁に抜擢した。
新総裁の賈氏は、合弁会社を含めた事業再構築による業績反転の重責を担う。
「これからどんなリストラが打ち出されるのか。社内は上から下まで、その話題でもちきりだ」。財新記者の取材に応じた上汽集団の中間管理職は、そう打ち明けた。
(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は8月10日
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