体の動きを30年研究してわかった「究極の姿勢」 ストレッチの常識を覆す「シン柔軟法」の中身

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それは、根本原因が首ではなく背骨のズレにあるからです。事故の衝撃で背骨が蛇のように蛇行してしまうため、その蛇行した背骨をひとつずつ丁寧に、しかもいちばん痛みから遠い部位からもとに戻さないと、いつまでたっても痛みを抱えたままになるのです。

「ほぐす」も同じです。足のだるさを感じたら、ふくらはぎをマッサージやストレッチする方も多くいると思いますが、そこで得られる「ラクになった感覚」はあくまで一時のことです。

本来の「ほぐす」という行為は、「硬くなった体を一体にほぐす」ことです。

それが叶うのがナチュラルポジションなのです。

限られた時間を柔軟のために使うのか

人生100年時代と言われますが、厚生労働省の資料によると、男性の平均寿命は現在81歳、女性が87歳です。

私は65歳ですが、年換算で残り16年、月では192カ月。週では834週です。こう考えると、生きてきた時間よりも残された時間は日を追うごとに貴重になっていきます。

『10秒でほぐす カラダが硬い人でもラクに柔らかくなる。きつくない、痛くない「シン柔軟法」』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

巷ではさまざまな柔軟法やストレッチ法が紹介されています。ですが、私から見ると、とにかくやることが多すぎる気がします。

あっちを伸ばして、今度はこっちを伸ばし、そっちを広げて、今度は曲げて……。元気な体になって快適な毎日を送ることが目標のはずなのに、元気になるための道のりがあまりにも長くて、これでは本末転倒ではないかという気がしてなりません。

私が考える柔軟とは、立つだけで体がほぐれ、歩くたびに体がほぐれ、といった、人がとる一つひとつの動作を工夫さえすれば、充分に柔軟に相当する効果が得られるというものです。

そもそも普段から理にかなった姿勢、動作で生活をすれば、体の負担は最小限になり、痛みも生まれず、怪我もしにくくなります。

一方で、可動域は広がるため脂肪の燃焼効率が上がり、太りにくくなっていくはずです。

わざわざ柔軟やストレッチのために貴重な時間を割くのではなく、普段の生活のなかでナチュラルポジションを意識して全身をリセットし、大切な時間をご自身のやりたいことのために使ってください。

夏嶋 隆 メディカルトレーナー

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なつしま たかし / Takashi Natsushima

動作解析専門家。大阪体育大学サッカー部、関西国際大学サッカー部トレーナー。1957年生まれ、大阪府出身。大学を卒業後、実業団バレーボール部の指導者としてキャリアをスタート。当時無名だった久光製薬バレーボール部を国体優勝に導き一躍注目されるが、大怪我をきっかけに手技療法の道に進む。人間の動作を観察・記録し、科学的アプローチを背景にした、人間が本来持つ力を引き出す指導をする、動作解析の専門家として活躍を始める。とくにアスリートからの支持は絶大で、指導を受け活躍する現役選手は、サッカー界だけで30名以上。現在も医者もあきらめるほどの怪我を負った人を救い続けている。

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