体の動きを30年研究してわかった「究極の姿勢」 ストレッチの常識を覆す「シン柔軟法」の中身

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硬くなった全身をときほぐし、柔軟性のある体を取り戻すためにいちばん大切なことは、ナチュラルポジションを覚え、その形を崩さないように動くことです。

ナチュラルポジションが崩れないようにストレッチや柔軟を行おうとすると、伸ばしたり、大きく腕や足を上げたり下げたりすることができなくなります。

たとえば側屈。体を大きく横に曲げる柔軟ですが、ナチュラルポジションを意識して行うと、次の写真のように伸ばさない柔軟になります。

(出所:『10秒でほぐす カラダが硬い人でもラクに柔らかくなる。きつくない、痛くない「シン柔軟法」』)

 

このように、ナチュラルポジションを身につければ、痛い思いやキツイ思いをしながらやっていた柔軟やストレッチをする必要がなくなります。

また、これは多くの人が勘違いしていることですが、「よい姿勢」=「胸を張ること」だと思い込んでいる場合があります。

でも、そうではありません。

胸部を前に突き出すようにして立つと、上半身に無理に力を込め腰を反らせてしまい、その姿勢を保つのに疲れを感じるだけで、体のバランスを崩してしまいます。なおかつ、この姿勢からスムーズな動き出しはできません。

ナチュラルポジションは、体のどこかに力を入れる必要はありません。

肩の力を抜いた状態で、フワッと浮き上がるイメージでまっすぐに立つ。それだけでよいのです。

原因は痛みを感じる箇所とは別にある

動作解析の研究をしていて改めて思うのは、人間の体はすべて連動しているということです。

たとえば、ボールを投げるという動作ひとつをとってみても、うまく投げられなかったときは手やその振り方に原因を求めるケースが多いですが、じつは腰の使い方だったり、足の着き方に理由があることも多々あります。

不調や痛みも同じです。

発症した場所や気になる部位とはまったく別の場所に、根本的な理由があることが多いです。

たとえば交通事故のむちうち治療に用いられる牽引治療。痛みを感じた首周りをラクにするために、首を器具で引っ張る治療ですが、一時的にはよくなるものの、またすぐに戻ってしまいます。

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