台湾まぜそば店主が「町中華回帰」で捉えた好機 中華そばが高級ラーメンよりしっかり儲かる訳

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一方、町中華ももちろんこだわりのあるお店は多いが、一般的にはどこにでもある安価な素材で作れるように設計されており、多少の食材の高騰はあれど、高級志向のラーメンと比べれば、原価率も比較的安定している。

また、「今池飯店」が“塩”で味を決めているように、素材そのもののうま味というよりは、タレとあっさりとしたダシで味を成立させているので、味も安定しやすい。当然だが、町中華はメニュー数が多いので、オペレーションを簡素にしているのもポイントだ。

華麗な鍋振り動画が大反響!SNSを武器に

(画像:新山さんInstagramより)

これらの事情に加えて、「今池飯店」の場合、最大の武器となっているのが、店主・新山さんのSNSだ。

新山さんのチャーハンの鍋振り動画をアップしたところ大反響。

海外からも注目され、今やTikTokは110万人、Instagramは50万人登録を誇る。

(画像:新山さんのYouTubeより)

「『はなび』で限定でやっていたチャーハンデーの反響が素晴らしく、YouTubeでチャーハンの鍋振り動画が50万再生になっていたので、Instagram、TikTokでチャーハンの鍋振りをやったらバズることはわかっていました。

『今池飯店』に来れば新山のチャーハンが食べられるわけで、SNSがそのままお店の宣伝につながっています。ラーメンだけの時とはまったく違う、想像を超えた反響ですね」(新山さん)

チャーハンの鍋振り動画はたくさんあるが、新山さんの動画はリズム感が良く、その手さばきが何より素早く華麗で何度も見たくなる。

実際、SNSを見て食べに来る人がかなり多いという。昭和な町中華に最新のSNSを見て人が集まっているというのは面白い現象だ。

(画像:新山さんYouTubeチャンネルより)

「町中華は今後、価値がどんどん高まると思います。後継者がいないお店も多いので、まさに生き残り合戦。お店が減っていく分、お客さんには重宝されていきます。うちもチャンスある限り増やしていきたいと思っています」(新山さん)

(画像:筆者撮影)
井手隊長 ラーメンライター/ミュージシャン

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いでたいちょう / Idetaicho

全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター。「東洋経済オンライン」「マイナビニュース」「AERAdot.」等の連載のほか、コンテスト審査員、番組・イベントMCなどで活躍中。近年はラーメンの「1000円の壁」問題や「町中華の衰退事情」、「個人店の事業承継」など、ラーメン業界をめぐる現状を精力的に取材。テレビ・ネット番組への出演は「羽鳥慎一モーニングショー」「ABEMA的ニュースショー」「熱狂マニアさん!」「5時に夢中!」など多数。その他、ミュージシャンとして、サザンオールスターズのトリビュートバンド「井手隊長バンド」や、昭和歌謡・オールディーズユニット「フカイデカフェ」でも活動。著書に「できる人だけが知っている 『ここだけの話』を聞く技術」(秀和システム)がある。

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