生成AIが「会話を理解している」と感じる納得理由 現時点でAIができることと、できないこと

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しかし今では、大量の胸部レントゲン写真を読み込んで学習し、疾患の有無を熟練の医師とほぼ同じ精度で診断できるAIが出てきています。

胸部に限らず、臓器の画像をもとに治療方針を決定していく医療現場において、AIの目覚ましい進化は朗報です。医師が不要になるといった極端な話ではなく、医師の判断をサポートしてくれる有能なAIパートナーが増えていくと解釈すべきでしょう。

スマホやパソコンの顔認証も、認識を得意とするAIのおかげで一気に精度が高くなり、一般にも使えるようになってきました。

ユーザーインターフェースの広がりという意味では、Siriやアレクサ、グーグルアシスタントのような、私たちの日常にすっかり身近なツールとなった音声認識アシスタントもAIの得意とする分野です。「アレクサ、今日の天気は?」「野菜を使ったレシピを教えて」といった音声で指示を出すボイスコマンドを可能にしたのも、やはりAIです。

ただ、一見すると人間とAIで普通に会話ができているようにも聞こえますが、実際はAIが音声を文章に変換し、その文章に対して、学習した知識のなかから、できる限り文脈に合う答えを探し出し、それを返答しているものが多かったのです。

ChatGPTの基盤になっている「トランスフォーマー」とは

こうした識別系AIとは利用目的が異なる生成AIが進化した要因をたどると、生成AIに搭載されている大規模言語モデル、さらにはグーグルとトロント大学の研究者が発表した深層学習モデルであるトランスフォーマーに行き着きます。

ChatGPTの基盤となっているのは、トランスフォーマーというモデルです。トランスフォーマーは、2017年、グーグルとトロント大学の研究者たちが共同で発表した「Attention Is All You Need」という論文で発表されました。

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