CX-50投入もマツダが中国で直面する3つの課題 本気度見えぬBEVとガソリン車の値下げに懸念

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上海モーターショーで展示されたCX-50 ハイブリッド(筆者撮影)
上海モーターショーで展示されたCX-50 ハイブリッド(筆者撮影)

マツダの中国販売台数が2023年6月に7300台に達し、直近1年間の単月販売で最も高い水準を見せた。中でもSUVの「CX-50」が、販売台数全体の56%を占めている。

CX-50は昨年、北米で販売を開始した日本未導入モデルで、中国での発売は2023年5月末。価格は、ベーシックモデルで16万元(314万円)と、日系の人気SUVであるトヨタ「RAV4」やホンダ「CR-V」と競合している。

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一方、中国における新車需要の低迷、新エネルギー車(NEV)の増加を受け、マツダの販売台数は、2022年に前年比41.2%減の10.8万台となり、ピークであった2017年の3分1程度に縮小した。

「販売店の再編など反転準備を進めており、2023年度の中国販売台数は前年比48%増の12.5万台を目指す」と、今年6月に就任したマツダの毛籠勝弘社長は強気を示すが、果たしてCX-50は中国事業を再起させる救世主になるのだろうか。

そして、ガソリン車を販売の主力に据えるマツダは、今後中国のBEV市場で巻き返しを実現できるか。中国で苦戦中のマツダ系サプライヤーから、高い関心が寄せられている。

中国向けCX-50はロングボディ

中国では、レジャー向けSUVに人気が集まっており、乗用車販売に占めるSUVの割合は2013年の17%から、2023年1~6月の47%に上昇している。マツダは、このCX-50でアウトドア需要を取り込もうというわけだ。

中国向けのCX-50は、全長4785mm×全幅1920mm×全高1638mmのボディサイズと、2815mmのホイールベースを持つロングボディ仕様で、ブラックのグリル、半円形のライト、ワイドなホイールアーチなどを採用。

CX-50は日本のCX-5よりもワイドでアウトドアテイストが強い(筆者撮影)
CX-50は日本のCX-5よりもワイドでアウトドアテイストが強い(筆者撮影)

インフォテインメント用の10.25インチスクリーン、カスタマイズ音声インタラクションが可能な第3世代悦聯システム(メディアテック製チップ)、テンセントの車載OS「TINNOVE(梧桐車聯)」を搭載する。

ドライバーを運転に駆り立てるような、車両との一体感を強調するマツダ「人馬一体」のドライビングおよび悪路の走破性、割安な価格設定はCX-50の差別化要素となるだろう。一方、同モデルへの期待とともに、マツダの中国事業が直面する3つの課題も浮かび上がる。

1つ目は、SUV市場の熾烈な価格競争だ。

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