日本株は日銀金融政策決定会合後にどう動くのか 海外投資家の「爆買い第2弾」は本当にあるのか

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次に、「4〜6月期決算」の状況はどうか。3月本決算企業の2023年度の第1四半期決算発表日は7月最終週から8月第2週末までがピーク。第1のヤマは、コマツ(6301)、デンソー(6902)、KDDI(9433)など200社以上の決算が発表される28日。第2のヤマは8月10日だ。

自動車を中心とした輸送用機器など、輸出産業の好決算が期待されているが、人件費や原材料費などのコスト上昇分を上回る値上げを実施、しっかりと収益を確保できている内需企業にも注目したい。個人的には今のところ企業全体では実績・予想ともにニュートラルな印象だ。ただ、業種間・企業間では格差が広がり、まだら模様になるとみている。

以上、残念ながら、足元の「企業価値向上」や「4〜6月期決算」の状況からは海外投資家の第2弾の爆買いが入る雰囲気はない。

日銀会合は現状維持の可能性、一部政策修正の場合は?

現在は「中銀ウィーク」のまっただ中だ。7月25~26日のFOMC(連邦公開市場委員会)に続き、27日のECB(欧州中央銀行)理事会でも、市場のコンセンサスどおり0.25%の利上げが発表になるとみられ、サプライズはないだろう。

となると、やはり注目は7月27~28日の日銀金融決定会合だ。同会合では、日銀が示す2023年度の物価見通しが上振れる可能性が高い。

この間、内田真一副総裁がYCC(イールドカーブコントロール、長短金利操作)に懸念を示し(7日の日経新聞)、日銀が近く政策修正に動くとの思惑が再燃。一時は急速な円高になった。逆に18日には植田和男総裁が「持続的、安定的な2%のインフレ達成にはまだ距離がある」(インドで開催のG20財務相・中央銀行総裁会議)と語り、当面の金融緩和継続を匂わせている。

今回の日銀会合は「金融政策の現状維持」が筆者のメインシナリオだ。実際に現状維持だった場合、円安となり、株価は上昇して直近の高値をめざす展開もあるかもしれない。ただ、前出の植田和男総裁発言で円安が進んだ結果、相場にはある程度織り込まれた可能性もあることには注意したい。

今回の会合ではYCCの撤廃・修正などのサブシナリオも排除しない。その可能性は20~30%あるとみている。今のところ、多くの有力エコノミストは10月までにYCC修正を予想しているようだ。仮にYCCが修正か撤廃となれば、円高が進むことにより、株価はいったん急落するかもしれない。だが、そこは押し目買いのチャンスとなる可能性が高い。株価が調整する場合は、その後、海外投資家の第2弾の爆買いが入る可能性もある。

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