原子力安全委員会が放射能拡散予測と積算線量の推定を発表、深刻な放射能汚染が改めて

原子力安全委員会が放射能拡散予測と積算線量の推定を発表、深刻な放射能汚染が改めて

原子力安全委員会は、25日、福島第一原発からの放射能放出予測の計算結果を発表した。緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)を用いたシミュレーションで、1時間ごとの放射性物質の拡散状況を予測計算した履歴を公表している(→こちら)。

また、あわせて、3月12日からの積算線量のシミュレーションも発表した(下図1、2)。このシミュレーションは、成人が1日24時間屋外にいた場合に、それぞれの期間で被曝する放射能の積算値の推定。大気中など体外の放射性物質から受ける放射線量(外部被曝)で、食物や水の摂取、ほこりの吸い込みなどで受ける内部被曝は含まれていない。

これによると、屋内退避の基準となる10ミリシーベルト以上(図1、2の線3)の地域は、4月6日時点では30キロメートル地点までだったが、24日時点では40キロメートル弱の飯舘村南部にまで拡大している。

福島県が実際に測定した積算線量を見ると(図3)、浪江町津島(図3【県55】地点)では、3月30日14時50分から4月18日15時05分の間で6.7ミリシーベルト(6700マイクロシーベルト)が記録されている。この地点は、図1でいうと10ミリシーベルト以上の北西端に位置する。また、飯舘村役場(図3【県58】地点)は3月30日13時20分から4月18日11時33分で2.081ミリシーベルトだった。図1では1ミリシーベルト以上(線5)の地域だったが、図2では5ミリシーベルト以上(線4)の地域になっている。

福島県の実測期間は、放射性物質の大量放出があった3月15日から3月30日までと、18日以降の分が含まれないので、積算線量の値はSPEEDIより低い。

なお、米エネルギー省の推定によれば(図4)、事故後1年目の積算線量は、10ミリシーベルト以上の地域は、30キロ圏を大きく広がる見通しとなっている。 

■図1 4月6日午前0時までの積算線量の推定


■図2 4月24日午前0時までの積算線量の推定

(出所:原子力安全委員会)


■図3 福島県の実測による各地の積算線量
3月29日~4月1日から4月18日までの17~20日間の積算


(出所:福島県内空間積算線量測定結果(平成23年4月19日16時00分現在)をもとに一部加工)


■図4 米エネルギー省による事故後の1年目に受ける積算線量の推定

(出所:Department of Energy National Nuclear Security Administration (NNSA))

(写真:福島第一原発、中央が3号機 東京電力提供)

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