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ビッグモーターの記者会見は、PR会社の巧みな危機管理を、ビッグモーター側のお粗末対応が打ち消す、実に不思議な会見となった(撮影:今井康一)
保険金不正請求をはじめとした数々の不祥事で、報道、さらにSNS上で批判の集中砲火を浴びているビッグモーターが、ついに会見を開いた。
この会見だが危機管理の「巧みさ」と「お粗末さ」が同居する、実に不思議なものであった。同時に入念な準備を重ねたというよりも、かなり「急ごしらえ」であったことも窺える。
かつてはテレビ東京の記者として、現在は企業の広報PRを支援する立場として、多くの会見に携わってきた経験から、今回の謝罪会見を読み解いてみたい。
当日の朝8時、11時から開催の案内が届く
会見当日の朝8時過ぎ、1通の案内文が報道各社に届いた。「不適切な保険金請求に関するお詫びと新たな経営体制に関する記者会見のお知らせ」と題された案内状には、あと3時間弱で会見を開くと記してある。問い合わせ先として「株式会社エイレックス」の名前も併記してある。「危機管理を専門」とするPR会社だ。

ビッグモーターが各社に送付した案内状。問い合わせ先は「株式会社エイレックス」だった(出所:ビッグモーター記者会見案内状)
今回の案内状だが、「危機管理専門のPR会社」が関わっているだけあって、巧みな点がいくつも見受けられた。
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