BTSの2人が語った東京での「思いがけない贈り物」 『BEYOND THE STORY』に書かれたJIMINとJUNG KOOKの旅
そして、続けて旅行の感想を語った。
ーーとても楽しかったです。また行きたいくらい。でも一度経験して、これはダメだなと思いました(笑)。結構バレていましたね。
「一般的な人生とは異なるルートを歩む」
たくさんの国に行くことはあっても、その国を自由に旅行できない20代。2人にとって旅行は、ささやかな日常を少しだけ取り戻すイベントになったが、同時にBTSのメンバーとして生きる人生についてはっきりと気づく機会にもなった。
JUNG KOOKは特に、世界が注目するアーティストとして生きていくことに、非常に大きなプレッシャーを感じていた。
ーー僕の人生で、もっとも余裕がなかった頃だと言えます。コンサートをして歌い、踊るのはとても楽しかったです。でも結局、歌手というのは人前に出る職業じゃないですか。それで、すでに多くの人が僕の顔を知っているので、自分がしたいことを自由に全部するのは、簡単なことではなくて。歌ったり、ファンの方たちに会ったりすること以外に、少し気が進まないことも時にはやらなければいけないし……。そういうことを避けるわけにいかないのは、よく分かっています。でも、急につらくなったんです。今のように、コンサートや音楽活動の時間を大切に思っていたら、そんなふうに考えなかったと思いますが、当時の自分は音楽や歌、ダンスが今ほど好きではなかったので、そうなったのだと思います。だからRMさんに、つらい、とこぼしたりして。
SUGAが当時のJUNG KOOKの立場について説明した。
ーーそれこそJUNG KOOKさんは、10代半ばでこの仕事を始めたじゃないですか。僕も10代で始めはしましたが、普通、その歳で仕事を探したりはしませんよね。JUNG KOOKさんは、一般的な人生とはまったく異なるルートを歩む人になったということです。そうやって仕事を始めたので、自分が何を望むのか、どう考えるのか、どんな思いで生きるのか、顧みる時間が必要だったのだと思います。
中学生の頃からBig Hit Entertainmentで歌手になるために走り続けてきたJUNG KOOKは、6人の年上メンバーを通して世の中を知ったと言っても過言ではない。JUNG KOOKに訪れた成功、そして成功のぶんだけ大きくなった彼が〝やらなければいけない〟こと、また〝守らなければいけない〟こと。20代に差しかかったばかりの彼には、つらくて当然のことだった。
(監訳/桑畑優香)
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