元国連専門機関職員の谷本真由美さんは、「日本は物価も給料もいまだに激安」であり、その安さゆえに「海外から買われている」のだと言います。本稿では、谷本さんの最新刊『激安ニッポン』からの抜粋で、「日本の物価がいかに安いか」について、iPhoneやスニーカー、テレビCMなどの実例を挙げながら、紹介していきます。
“ペラペラの服”を着る若者たち
「日本では安いものしか売れない」ことを表している例はいくらでもあります。日本に帰ってハッと気がつくのは、日本の若い人たちは、他の先進国と「服の流行」がかなり違うという点です。
若い人はトレンドに敏感なので、海外の若者たちは最新の流行りのスニーカーを履いていたり、トレンドの服を着ていたりします。
一方、日本でまず気がつくのは、若い人の足元を見ても、北米や欧州で流行している最新モデルのスニーカーを履いている人がほとんどいないということです。少し新しいモデルを履いている人もいるかなと思っても、よく見ると2シーズンぐらい前のものです。
しかも、他の国で流行っているNIKEなどではなく、海外では特に人気のないブランドのスニーカーを履いている人が非常に多いのです。つまり、「在庫が余っている古いもの」を選んでいる人が多いということです。
これは日本人が服装にこだわらなくなったからでしょうか? 若い人の場合、そんなことはないと思います。今も昔も日本人ほど自分のイメージや見た目を気にする人たちはいません。しかし、最新モデルは2、3万円しますから、若い人たちにとってはもう買えない人が多いのです。
さらにバッグを見ていてもこれはよくわかります。
日本は20年ぐらい前に比べると、随分と安いバッグを持つ人が増えました。女性は布バッグや合成革のバッグが目立ち、他の先進国の人々に比べると、明らかに品質が低いものを持っているのです。
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