さらに、若い人の着ている服を見ると、ブランド服を着ていないのはもちろん、明らかに生地がペラペラです。化学繊維の薄い生地の服や毛玉のついている服を着ている人が昔よりうんと増えました。
他の先進国の若者たちは、もっと明らかに質がいい生地の服を着ています。彼らが着ているのは、一見カジュアルに見えても、実は高性能のアウトドア製品だったり、高級生地のメリノウールだったりするのです。
店頭に並ぶ商品も日本とは違います。
たとえば、イギリスやドイツだと、メリノウール100%のスポーツウェアやセーターが都市部のデパートで売られています。そこではTシャツ1枚が1万5000円ぐらい、セーターは1枚3万円ぐらいします。
イギリスやドイツにも激安の衣料品店はあるのですが、同時に超高品質のものもよく売っているのです。
つまり、若者にもそれだけ収入があり、生活に余裕があるということです。ところが日本だと、最近はこういった高価格帯・高品質の商品を探すのがかなり大変です。それだけお金がない人が増えてしまったのです。
実際、外資系のアパレルブランドは、若者層の消費の冷え込みから苦戦が続き、日本から撤退するところが相次いでいます。たとえば、2019年にはフォーエバー21とアメリカンイーグルの2社が日本から撤退しました(フォーエバー21は2023年、規模を大幅に縮小させて日本に再上陸)。その他のブランドも店舗の閉店などを余儀なくされています。
海外旅行に出かけ、ブランド品を次々買いあさっていた日本人はもはや、一部の富裕層を除いて、海外に出かけるどころか、日本にある海外ブランドの店にすら行けなくなっているのです。
iPhoneは世界37の国の中で最安
2022年、アップルが最新型の「iPhone14」を発売しました。日本での販売価格は11万9800円と10万円を超えていたことから、SNS上では「そろそろ買い替えたいけど、パソコン並みに高くて買えない」「もはや高級品で自分みたいな貧乏人には手が出ない」といった声が出ていました。
しかし、日本人には意外と知られていませんが、iPhone14の販売価格は世界の中で日本が最も安いのです。世界での販売価格をまとめたものが下の表です。
これを見ると、日本以外の国々の平均は14万8182円と、日本より2万8000円以上も高くなっています。また、最高値のトルコ(23万8454円)はなんと日本の約2倍の価格になっています。
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