本家アメリカが「新自由主義」を捨てて目論む復活 「バイデノミクス」はトランプ政策にそっくり
イギリスのサッチャー元首相やアメリカのレーガン元大統領が象徴的な存在となっている「新自由主義的経済政策」が風前の灯火となっている。
本家本元のアメリカで、バイデン大統領ら政権中枢が相次いで自由貿易を公然と批判し、国内産業の振興に重心を移す保護主義的主張を展開しているのだ。
英米両国政権によって強力に推進された新自由主義は、冷戦崩壊とグローバリズムも重なって1980年代以降、日本の中曽根内閣をはじめ多くの国でもてはやされた。発展途上国を含めて各国の経済成長を加速させるとともに、貧困層の減少など大きな成果を上げたと言われている。
新自由主義が招いた空洞化
しかし、国境を越えた自由競争主義は弊害も多かった。
新たに生み出された富が巨大企業など一部の富裕者に偏り、経済的格差が拡大した。企業がコスト削減のため賃金の低い途上国に工場を移した結果、先進国の製造業の衰退、空洞化を招いた。
その結果、新自由主義に対する批判の声が高まっていったが、アメリカの歴代政権はトランプ前大統領を除けば、自由貿易や市場経済という看板を掲げ続けた。
ところが現在のバイデン政権は大きく方針を変えている。
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