RAV4&ハリアー、21世紀を予見したSUVの先駆者 「なんちゃってクロカン」と揶揄された過去も

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どういうことかといえば、初代RAV4/ハリアーはヒット車となっただけでなく、『それ以前』のモデルたちと、クルマの構造そのものが違っていたからだ。

自動車には、モノコック構造とラダーフレーム構造という2種類の構造があり、モノコック構造は乗用車に、ラダーフレーム構造は商用車や堅牢性が必要なクルマに用いられてきた。

『それ以前』のSUV(RV、クロスカントリー4WD)は、堅牢性などの観点からラダーフレーム構造であった。そんな中、RAV4/ハリアーは、乗用車と同じモノコック構造を採用して登場したのだ。

それまでの無骨なクロカン4WDとは異なるスタイリッシュな外観が特徴(写真:トヨタ自動車)

ちなみに、今も大人気のランドクルーザーとジムニーは、どちらもラダーフレーム構造を守っている。ランドクルーザーのルーツは1951年のトヨタ「ジープ」にあり、ランドクルーザーの名称を使い始めたのは1955年のこと。つまり、68年もの歴史を持つ。

また、ジムニーが軽自動車初の本格4WDオフローダーとして誕生したのは1970年。こちらも50年以上の歴史を持つ、伝統のモデルとなるのだ。この2台は、どちらも『それ以前』に生まれたクルマで、構造は当時の常識であったラダーフレーム構造である。

悪路を走る特殊なクルマ

ランドクルーザーやジムニーが生まれた1950~1970年代には、まだSUVやクロスオーバーといった呼び方はされておらず、「オフローダー」や「クロスカントリー(クロカン)」などと呼ばれていた。1970年代まで、悪路を走るクルマはまだまだ特殊な存在であったのだ。

その後、1980年代に余暇を楽しむクルマとして、オフローダーやクロカンがRVとして人気を集めるようになる。

当時、人気だったクロカン4WDの1つ、ランドクルーザープラド(写真:トヨタ自動車)

このころ人気となったのが、トヨタ「ハイラックスサーフ」や日産「テラノ」、三菱「パジェロ」、いすゞ「ビッグホーン」で、これらはみなオフロード走行が重視され、ラダーフレーム構造を採用していた。つまり、1980年代まで、今でいうSUVは「悪路をゆく、タフなクルマ」というイメージであったのだ。

もちろん、どれも人気があり街で見かける機会も多かったけれど、年間販売ベスト10に入るようなものではなかった。ランキング上位に入っていたのは、カローラを筆頭に「マークII」や「シビック」「サニー」といった、舗装路を走るセダンやハッチバックだ。

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