最近では1つの冷蔵庫に冷凍スペースを2つ備えた機種も登場していますが、理想は「食材を凍らせる冷凍庫の部屋」と、「保存用冷凍庫の部屋」を分けることです。
ホームフリージング(家庭で食材を凍らせること)をした場合、常温やチルドの食品を冷凍庫に入れると、庫内の温度が上がってしまいます。凍らせる用の部屋でいったん凍結させて、凍ったらメインの保存用冷凍庫の部屋に入れるほうが、冷凍の保存環境がよくなります。
週末に料理をまとめて作り置きする家庭もあると思います。ホームフリージングする場合、凍っていない食品を一度に大量に冷凍庫に入れると庫内温度が急上昇するので、おすすめしません。普段の料理の際に多めに作って、ちょこちょこ冷凍していくのが理想です。
また、冒頭で触れたように、冷凍庫には霜を溶かすためのデフロスト機能が付いています。これによって扉を閉めていても、庫内の温度が半日に1回ほど上がり、やはりこれも食品の乾燥や酸化の原因になります。
デフロスト対策をとる冷蔵庫も登場
デフロストはヒーターの熱による暖かい空気が冷凍庫内に流れ込むことで庫内の温度が上昇するもので、これはほとんどの冷凍庫で起きていますが、最近はデフロスト対策をとっている冷蔵庫も出ています。
その1つがAQUA製の冷凍冷蔵庫です。「おいシールド冷凍」という機能で、冷気の出入り口に開閉式のフタが装備され、デフロストのときにフタが閉じることで、庫内への暖かい空気の流入を防いでいるのです。
冷凍庫の一番の目的は冷凍された食品をおいしく長く保管することにあるので、このような庫内温度を低く保つ機能は最も重視すべきと思います。
冷凍食品やホームフリージングが増えてきている現代では、冷凍庫スペースを増やした冷凍冷蔵庫へのニーズは、今後さらに高まってくると思われます。そしてスペースだけではなく「冷凍庫に入れさえすれば、おいしさがキープできる」というイメージから脱却する必要もありそうです。
家庭でできる工夫や心がけによって冷凍庫内の温度がキープできれば、みなさんが思い描くより快適な「冷凍生活」を楽しめるはずです。まずは冷凍庫の整理整頓から始めてみてください。
(構成・牧野めぐみ)
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