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元IT企業社員が「魚屋」になって学んだ働き方 「人生最大の危機」から生まれた魚屋の森朝奈さん

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(本人画像提供/森朝奈さん)

一方で、魚屋で働き始めてからは、自分がどんなときに仕事の喜びを感じるのかがわかるようになりましたね。

魚屋で働く良さは、なんと言ってもお客さまのリアクションをダイレクトに感じられるところ。

前職では、どんなに会議資料を一生懸命作ったところで、組織もビジネスの規模も大きすぎて、自分の仕事がお客さまに与えている影響を肌で感じることが難しい部分がありました。

でも魚屋では目の前のお客さまが「ありがとう」と言ってくれたり、新しいお客さまを連れてきてくれたりします。

一生懸命やればやっただけ、自分に返ってくるものがある。手触り感のある魚屋の仕事は、とても気持ちがいいものだし、自分の性分に合っているなと感じました。

先代の苦手なことを探し、穴埋めするつもりで貢献

また、私は本業とは別のところで、あらゆる業種の後継者が集う「跡取り会」というコミュニティーを運営しています。

実は、そのメンバーの半数以上が意見の食い違いなどから先代と決裂してしまっている状態です。

というのも、家業を継ぐ跡取りの人たちならではの課題があって……。

2代目以降の人たちの多くが「自分も先代と同じぐらいのことを成し遂げなくては」と思っているのですが、「昔と同じやり方では今の時代には通用しない」と思うとつい強く出てしまい、先代との関係を悪くしてしまいがちなんです。

そういうケースをたくさん見てきたので、私は「先代が苦手としていること」や、「自分だからできること」を探して貢献するほうが、長い目で見たときに事業成長につながるのではないかと考えて仕事をしてきました。

例えば私は、父の仕入れにはいっさい口を出しません。そこは父のカリスマ性が最も生かされるフィールドだからです。

「ちょっとおかしいな」と感じる部分があったとしても、何か理由があるはずなので、今は教えを乞うことに徹しています。

一方で私は、IT企業で得たノウハウを生かし、寿商店全体のDXに取り組みました。

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【自分とチームにとってヘルシーな「穴を埋める」働き方】

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