「アスパルテーム」どれだけ摂取すると危ないのか WHOがヒトに対する発がん性の可能性を指摘

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ニューヨークのメモリアル・スローン・ケタリングがんセンターの腫瘍内科医で医師科学者であるニール・M・アイエンガー博士は、がんのリスクを下げるには、まず肥満やアルコール、タバコの使用など、がんになりやすいほかの要因について考えるべきだとしている。

人工甘味料では体脂肪は減らない

ほかの甘味料についてわかっていることは?

さまざまな化学構造を持つ人工甘味料が市場に出回っているが、長期的な健康影響に関するデータは不足している。

ミネソタ大学ツインシティーズ校の食品科学・栄養学のジョアン・スラヴィン教授によると、この点において「明らかな勝者」はいない。

WHOは春に、アスパルテーム、ステビア、スクラロース、サッカリンのような人工甘味料は体脂肪を減らすのに役立たない可能性があり、それらを摂取することは心血管疾患、糖尿病、総死亡のリスクが高くなる可能性があると発表した。カロリーゼロの代用糖であるエリスリトールは、最近、心血管疾患との関連性が疑われているが、その証拠は決定的ではない。

健康専門家の中には、食事から人工甘味料を完全に取り除くことを勧める人もいる。「もし人工甘味料が何の役にも立たず、食事に必要なく、何のメリットもないのなら、わざわざ使う必要はないだろう」とニューヨーク大学のマリオン・ネスレ教授(栄養学、食品学、公衆衛生学)は言う。

しかし、砂糖には懸念も伴う。血糖値をつねに急上昇させるようなものは、特に糖尿病やほかの代謝障害を患っている場合には問題となりうる。アメリカ疾病予防対策センター(CDS)は、通常の炭酸飲料のような砂糖入り飲料の頻繁な摂取を、2型糖尿病、心血管疾患、腎臓病、肥満、その他の健康上の懸念と関連づけている。

「リスクはつねにある」と、スラヴィン教授は言う。「結局のところ、カロリーを我慢できるのであれば、代替甘味料よりもレモネードに砂糖を少し入れたほうがいいのかもしれない。それは、あなたの健康状態ややりたいことに応じて、あなた自身が決めることだ」。

(執筆:Dani Blumk記者)

(C)2023 The New York Times 

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