「撮影罪」から漏れた"アスリート盗撮"驚く悪質さ 注意すると逆ギレも…取り締まりは可能なのか

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「競技中ではなく、(選手が)お尻をあげたときや倒れ込んだときにシャッターを切る人がいます。声をかけると、『たまたま手ブレした』『顔を狙っていたけど、カメラが下に向いてしまった』と言い分を主張する人もいれば、無言で何も言わない人もいます。ただ、あくまでお願いですので、できる対応には限度があります」(障子理事)

被害にあっているのは、女子選手だけではない。男子選手も下半身を狙った撮影被害にあっている。

2019年の個人選手権からは、カメラ撮影者に名前と連絡先などを書いた撮影申請書を提出してもらい、証明書等で本人確認をして撮影を許可している。しかし、最近は双眼鏡にビデオカメラがついたものやカメラ性能が高いスマホもあるため、撮影者の特定ができないケースも出てきており、いたちごっこになっている。

一般観客の撮影について、9月開催の日本インカレ(第92回日本学生陸上競技対校選手権大会)でどのような対策を取るか、現在検討しているという。

障子理事は「現状は迷惑撮影であって盗撮ではないため、法律の盾がなく、素人としては対応に限界がある。法的に整備されれば、警察がもっと関与してくれるのではないか」と話す。

なぜ「セパレート型」が主流なの?

こうした「アスリート盗撮」の問題で必ず出てくるのが、「ユニフォームも問題だ」という指摘だ。上下が分かれており、お腹部分が開いているユニフォームは「セパレート型」と呼ばれ、女子陸上選手の主流となっている。

ミズノの美濃辺淳さんによると、オリンピックや実業団のトップ女子選手のほとんどが「セパレート型」を着用している。20年以上前にオリンピックで女性選手が着用したことから流行り始めたという。

人気の理由は、動きやすいためだ。巷で言われている「空気抵抗を減らすため」という理由については、数値の検証まではできていないというが、縦横によく伸びる素材が使われていることも動きやすさの一因だ。

中学生や高校生はランニングシャツと短パン(ランニングパンツ)が多いが、高校のトップ選手や強豪校になると、セパレート型が主流だという。学校単位でウェアを揃えるため、指導者が採用することが多い。

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