「姉の夫が理想」30代婚活女性に見えていない現実 高価な婚約指輪や専業主婦に憧れる彼女たち

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筆者が思わず、「結婚したら男性に生活もお金も依存する女性が多い中で、みゆきさんはしっかりしていますね」と言うと、まさのぶが、破顔一笑して言った。

「本当に彼女は、僕のために生まれてきてくれたような女性なんです」

「そんなことを言ってもらえると、本当にうれしい。ありがとう」

婚約中のこの時期は、2人にとって気持ちが一番盛り上がっているので、こんな惚気(のろけ)も思わず口をついて出てしまうのだろう。しかし、この初心を忘れずに、これから何十年と続く結婚生活を過ごしていってほしい。

お祝い会を終えてレストランを出たときに、「お互いへのリスペクトを忘れずに、末長く幸せにね」という言葉を、筆者は2人に送った。

婚活も金銭感覚も男女平等の時代

結婚した女性が、人前で夫の話をするときに“主人”という言い方をする人がいる。主な人。家の主役だ。

対して、男性は“家内”や“女房”と言う。家内は家の中にいる人という意味だし、女房は語源をたどれば、朝廷に仕えた女官のことだ。なかには、人前で妻の話をするときに、 “愚妻”、愚かな妻と下げた言い方をする男性もいる。

これらの呼び方があるのは、古くからのしきたりで、日本の夫婦の在り方を表している。夫が上で、妻は下、ということだ。

しかし今、結婚も、夫婦の在り方も変わりつつある。

パートナーとして、同等の立場で家庭を築いていきたいと思っているカップルが増えてきているし、専業主婦を希望する女性も少なくなり、女性も男性と同様に働くのだから、家事や育児は分担してほしいと希望する女性も多くなった。

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また共働きだった場合、一昔前は、子どもが生まれてから育休を取るのは女性と決まっていた。それが時代の流れとともに、男性も育休が取れるようになり、2022年10月からは、男性の育児休暇を推進する「産後パパ育休」が本格的にスタートした。

時代は変わりつつある。婚活事情も変わりつつある。

婚活を苦戦している人たちは、いま一度、自分がなぜなかなか結婚できる相手に巡り会えないのか、見直してみるといい。そして、相手に求めるものが多い人ほど、今の時代は結婚できないということに気づいてほしい。

鎌田 れい 仲人・ライター

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かまた れい / Rei Kamata

雑誌や書籍のライター歴は30年。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も。『週刊女性』では「人間ドキュメント」や婚活関連の記事を担当。「鎌田絵里」のペンネームで、恋愛少女小説(講談社X文庫)を書いていたことも。婚活パーティーで知り合った夫との結婚生活は19年。双子の女の子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイトはコチラYouTubeも開設。

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