「雑談をしない」管理職が職務怠慢と言われる理由 職場の心理的安全性を高める上司のコミュ力

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それでもまだ雑談に対して苦手意識があるマネジャーのために、ヒントをもう少しだけ解説しましょう。

Meet them where they are.という英語の表現があります。これは「相手が今いる場所に会いに行きましょう」という意味です。つまり 「相手に合わせる」 ということです。

たとえば、ゆっくり考えながら話すタイプのメンバーと話をするとき、自分(マネジャー)はテキパキと早口で話すタイプだとしても、この場合はメンバーのペースに合わせて、できるだけゆっくりと話すことを意識します。

メンバーにしてみれば、テキパキと話すマネジャーとの会話は、緊張して心理的安全性を感じられないかもしれません。しかしマネジャーが自分に合わせてゆっくりと話してくれれば、緊張がほぐれて気持ちが落ち着きます。また、無理して相手に合わせる必要がなくなるので、メンバーは自分らしくいられることで心理的安全性を感じます。

これがMeet them where they are.です。

メンバーはその気持ちだけでもうれしい

「そんな器用に相手に合わせて話したりできない」と心配する必要はありません。上手にできなくても、あなたがそうしようと努力している姿勢を見せるだけで、実は、ほぼ目的を達しているからです。どういうことでしょうか?

マネジャーが自分に好奇心を持って、集中して、寄り添ってくれているのを感じたら、メンバーはうれしく思うはずです。「マネジャーは自分の敵ではない」と感じるとともに、信頼と尊敬の念を抱くでしょう。

やれるかやれないかなんて気にしないで、どんどんメンバーのいる場所に会いに行きましょう。そうすることでメンバーは、自分の思うことを自由に話しやすくなり、チーム内の心理的安全性も高まるのです。

ピョートル・フェリクス・グジバチ プロノイア・グループ株式会社代表取締役、株式会社TimeLeap取締役、連続起業家、投資家、経営コンサルタント、執筆者

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​Piotr Feliks Grzywacz

ポーランド出身。モルガン・スタンレーを経て、Google Japanでアジアパシフィックにおける人材育成と組織改革、リーダーシップ開発などの分野で活躍。2015年に独立し、未来創造企業のプロノイア・グループを設立。2016年にHRテクノロジー企業モティファイを共同創立し、2020年にエグジット。2019年に起業家教育事業のTimeLeapを共同創立。ベストセラー『ニューエリート』(大和書房)、『パラダイムシフト 新しい世界をつくる本質的な問いを議論しよう』(かんき出版)など著書多数。

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