「雑談をしない」管理職が職務怠慢と言われる理由 職場の心理的安全性を高める上司のコミュ力
雑談が苦手と感じているマネジャーは、どうやら雑談を誤解しているようです。自分の話したいことを話すのが雑談だと思っている人が多いのですが、実はそうではありません。職場の心理的安全性を重視するマネジャーが仕掛ける雑談は、「メンバーを気持ちよくするためのもの」なのです。
たとえば、冬の寒い日に、薄手のコートを着たメンバーが凍えそうな表情で部屋に入ってきたら、「寒そうですね。温かいお茶はどうですか?」「部屋の温度を少し上げましょうか?」と声をかけると、相手はあなたの気遣いに触れてほっとします。
あるいは、新型の時計を身につけている人がいたら、「それ、新しいモデルですか? 素敵ですね」「どんなふうに使うんですか?」と興味を持って質問します。こんなふうに話しかけられたら、相手はうれしいでしょう。
これがマネジャーにとって必要な雑談です。必ずしも自分の話をする必要はないのです。
マネジャーの雑談は「診察」
マネジャーは、声をかけることで相手の状態を知り、どんな形で相手をサポートすればいいかを探ることができます。つまり、雑談は相手の状態を知るための「診察」なのです。
言い換えると、雑談とは「相手が今どんな状態なのか。この場の心理的安全性を高めるために相手に対して取るべき次のアクションは何か」を確認するためのツールなのです。
「雑談は診察」と考えれば、自分のことを無理に話さなくてもいいわけですから、ハードルが下がりそうですね。好奇心を持って相手の状態を観察して、「今、相手が何を必要としているか」に集中するだけなので、誰でもできるようになります。
「雑談が苦手」というマネジャーは、実はメンバーのことをよく見ていないのかもしれません。会話のやり取りが続かないのは、相手の状況や気持ちを無視して話を進めようとしているからではないでしょうか。
ぜひ、「相手を気持ちよくする」ことを意識しながら、雑談してみてください。
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