新渡戸稲造、夏目漱石、野口英世……彼らに共通する点がわかりますか。それは、成人する前に海外への留学を経験することなく、日本にいながらにして、ネイティブ顔負けの英語力を身につけたことです。
現代よりも英語学習法が確立されていない時期に、偉人たちはどのようにして英語をマスターしたのでしょうか? そして、現代の私たちが彼らの「英語学習法」から学べることとは?留学経験はないものの、女学校と洋書で英語をマスター
翻訳家・児童文学者。モンゴメリなどの児童文学の翻訳で知られ、中でも花子が訳した『赤毛のアン』シリーズは今も多くの読者に愛されている。NHKの連続テレビ小説「花子とアン」の主人公のモデル。
花子は10歳のとき、父親と学校創設者とのあいだに信仰上のつながりがあったキリスト教系の東洋英和女学校(現在の東洋英和女学院)に編入しました。当時そこに在籍していた多くの女学生とは異なり、花子の家は大変貧しく、給費生としての編入でした。
東洋英和における英語教育は当時のほかの女学校と比較すると、特筆すべきものがありました。2年次以降は、若松賤子や津田梅子、内村鑑三などが教師を務めていた明治女学校と比べて、約2倍の英語の授業がカリキュラムに組み込まれていたのです。
さらに、注目すべきは英語以外の授業。なんと日本学を除く科目はすべて英語で教えられていたのです。体操の号令までもが英語だったのだとか。世界地理の授業では先生の質問に対して英語で答えさせられたという卒業生の証言も残っています。
「成績が悪ければ即退学!」という当時の東洋英和の厳しいしきたりの中で、花子は着実に英語力を身につけていきました。
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