では、なぜ新型アルファード/ヴェルファイアは、ここまで大胆なボディサイドにしてきたのか。理由としてひとつ考えられるのは、今年春の上海モーターショーで発表され、日本での販売もアナウンスされたレクサス「LM」との差別化だろう。
レクサスLMは、新型アルファード/ヴェルファイアとプラットフォームを共有しているという。ボディサイズはLMが少し大柄になり、クオリティも違ってくるだろうが、デザインでもトヨタとレクサスでの差別化は明確に必要になる。
そこで、レクサスのサイドビューを水平基調の落ち着いた佇まいとしたのに対して、アルファード/ヴェルファイアでは、あえて抑揚の強いラインを取り入れたのではないかと推測している。
驚いたのはボディカラーで、アルファードはブロンド、ホワイト、ブラックの3色、ヴェルファイアに至ってはホワイトとブラックの2色しかない。
半導体調達などを理由とする生産の遅れに対処したためかもしれないが、路上で見かけるアルファード/ヴェルファイアは、ほとんどが白か黒であることも事実。この種のクルマを求める層は、デザインやカラーで自己主張をするという、従来のクルマ好きが抱くような考えは持ち合わせていないのかもしれない。
また、アルファード/ヴェルファイアとも、それぞれグレードを売れ筋のZ(ヴェルファイアはZ Premier)と、Executive Loungeの2つに絞っているのも、それを象徴しているといえる。
オーセンティックな意匠に画期的な装備
インテリアに目を向けると、前席まわりでは14インチという大型センターディスプレイや、電気式になることで短くなったシフトレバーなどが目立つ。
メーターは、12.3インチのフルデジタルとなり多彩な表示が可能になったものの、メーターとセンターディスプレイを明確に分けた造形は、むしろオーセンティックだ。
この点レクサスLMは、メーターとセンターディスプレイを一体化したようなレイアウトとしており、ここでもブランドごとの差別化を明確にしていることがわかる。
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