このあたりについては、ハンフリーズ氏のプレゼンテーションの日本語字幕でも、「ドヤ顔」「ちょい悪」という言葉まで使って、アルファード/ヴェルファイアのアイデンティティであることを認めている。
ハンフリーズ氏自身が「doyagao」「choiwaru」と口にしたわけではなく、近い意味の英語で話していたが、発表会のスクリーンに「ドヤ顔」「ちょい悪」と表示されたのは事実であり、トヨタ自身がこの路線を肯定していることが伝わってきた。
しかし、アルファード/ヴェルファイアともに、グリルの面積はさらに大きくなったように感じるものの、両端のランプ類とのつながりがスムーズになり、フォグランプが収まるバンパー両端の処理はむしろシンプルになっている。
リヤについても、似たようなことが言える。先代ではコンビランプをリヤウインドウ左右に回り込ませていたが、新型ではそれをやめ、サイドから流れてくるラインを受け継ぐ形になっており、真後ろから見ると鳥が翼を広げたような造形となっている。
全幅を変えず豊かなサイドビューに
個人的に新型アルファード/ヴェルファイアのスタイリングで最も目を引いたのは、ボディサイドだ。ハンフリーズ氏が「箱型ではないワンボックス」と称したとおり、かなり抑揚の強い造形になっていたからである。
具体的には、スライドドア前端のシャークフィン風ピラーを短くする一方で、そこからリヤに向けてゆったり降りていくキャラクターラインが入ったことだ。フロントフェンダーのラインを反復させたような感じでもあるが、そのフロントフェンダーの盛り上がりも、これまでより明確である。
スライドドアを持つミニバンでは、後輪の上にドアのレールが位置する関係で、この部分のラインは水平にすることが多い。ところが、新型アルファード/ヴェルファイアはあえてスロープさせてきた。かなり大胆だ。
ちなみに新型アルファードのボディサイズは、全長4995mm×全幅1850mm×全高1935mmで、先代と比べると45mm長く、15mm低くなっているものの、幅は同じだ。なのに、ここまで立体的なフォルムを取り入れたことに驚かされた。
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