旧車を冷遇する日本と優遇するアメリカの差 ヒストリカル・ビークル・ライセンスってなに
転じて我が国はというと、排気量をベースに年額が決まる自動車税は、ガソリン車は車齢13年、ディーゼル車は車齢11年を超えると、概ね15%の重課となり、古いクルマが優遇されるどころか冷遇されているのが現実だ。車検時に支払う重量税も同じく13年超と18年超のタイミングで高くなるので、負担は年々増すばかりである。
高い維持費に耐えかねたユーザーは、一時抹消登録を行うか、売却したり廃車にしたりといった選択に迫られがち。その結果、時を経て文化財としての価値を持つようになったクルマたちは、いずれスクラップにされるのを待つか、より購買力に富んだ海外市場へ流れていくしかなくなってしまう。
文化や歴史な価値を尊重するアメリカの自動車登録制度
実際に日本で旧車を我慢強く所有している人の多くは、たまにイベントに参加したり、仲間とツーリングに出かけたりするときにだけ使用していることだろう。そうした用途に限定されても構わないので、税の減免や控除といった優遇が得られる特例ナンバーというものが日本にも存在すれば、きっと利用したいと考える人は多いに違いない。
歴史的なクルマを価値ある文化財と捉えるのか、使い捨ての古びた道具と捉えるのか。アメリカで開催されているJCCSに参加し、クラシックカーとしての日本車の魅力が海外でこそ高く評価されている現実を見るたび、今問われているのは日本人が自国の文化財としての旧車に対する誇りを再認識し、保護していくことではないのかと感じさせられる。
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