運転手不要のバス、自動運転レベル4解禁の行方 ボードリーが導入する新型マイクロバスの試乗

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ただし、試乗中に気になったこともある。それは、障害物などもないし、前方の車道に歩行者などがいる気配すらないのに、急に緊急停止をしたことだ。しかも、かなりガツンとブレーキが利いたため、ほとんどの乗員が前のめりになってしまった。もちろん、全員シートベルトを締めていたため、室内で転んだりした乗員はいなかったのは幸いだったが。こうした急な挙動は、恐らく、センサーかなにかの誤作動だと思われるが、実際に運用するまでには、ブレーキの利き具合も含めて、きちんと調整する必要があるようだ。

具体的な運用と今後の行方

当日は、茨城県境町の橋本町長(左から2番目)や、ボードリーの佐治友基CEO(左から3番目)ら関係者も出席。境町とボードリーはミカ購入に関する覚書も締結した(筆者撮影)

ミカは、現在、関係省庁からの認可を取得するための申請など、実用化へ向けて動き出している。導入先としては、まず、茨城県境町が2023年中の購入や運用を予定しているという。同町では、自動運転バスによる巡回サービス用車両として、すでにアルマ3台を利用しているが、それにミカ1台を追加するという。

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ちなみに、今回の試乗会に参加した境町の橋本正裕町長は、もしミカが認可されたとしても、「いきなり自動運転レベル4での運行はしないだろう」という。現在、同町が実施しているアルマの巡回サービスは、自動運転ではあるが、オペレーター1名が同乗する自動運転レベル2での運用だ。緊急時に車両を停止させるなど、安全運行に関する操作を行う人員を乗せているという点では、「運転手付き」と同様となる。それが、いきなりオペレーターがまったくいない自動運転バスが運行し始めると、「不安に感じる高齢者なども多いだろう。そのため、ミカにも当初はオペレーターを同乗させ、様子を見ながら徐々に(レベル4へ)移行していく」という。

ボードリーは、‪2023年度に‬、境町を含め‪約10台のミカを、日本‬に導入することを目指すという。新法規の後ろ盾も得た自動運転レベル4対応のミカが、これから、どんなエリアで走り、その地域でスタンダードな乗り物として認知されるのかなど、今後の動向にも注目したい。

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平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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