運転手不要のバス、自動運転レベル4解禁の行方 ボードリーが導入する新型マイクロバスの試乗
一般的な自動運転車両では、走行中の自車位置を特定するため、センサー類に加えGPSを併用することも多い。一方、ミカでは、最初の起動時のみ、自車がどの発進地にいるのかを特定するためだけにGPSを使い、走行中は使用しないとのこと。GPSは、山間部など衛星からの電波が届きにくい地形を走る場合や、大雨などの悪天候時には、正確な自車位置を特定できない場合もある。一方、GPSを頼りにしないミカでは、あくまで高精度3DマップとLiDARやカメラなどのセンサーのみを使うが、それでも、正確なルート走行を実現できるという。おそらく、想定する巡回サービスの運用では、事前に決められた一定のルートを走行し、それら以外の道を走ることはないため、GPSまでは必要としないのだろう。走るルートがシンプルなぶん、システムなどの不確実性も少なくなるようだ。
ミカとアルマの比較
筆者は、以前、アルマにも乗車したことがあるが、ミカのほうが発進からかなりスムーズに走る印象だ。また、巡航速度に到達するまでの時間も短い。これなら、他車両も走る混合交通の道路でも、比較的にクルマの流れに乗りやすいだろう。かといって、加速が急過ぎることはないし、交差点やカーブなどでの減速もかなりマイルド。まったくギクシャクしないため、安心して座っていることができる。
今回の試乗では、車線の左側に設置したパイロンや、自転車などを自動で回避するデモも行われたが、その際も、ゆっくりと車線変更をするため、車体の挙動はとても安定していた。また、片側1車線の道路だったため、障害物を避けるには多少センターラインをはみ出す必要があったが、その際も、はみ出し方は必要最小限だった。さらに、障害物の真横では、かなり速度も落とすことで、まったく危なげのない回避動作を行っていた。
ボードリーによれば、こうしたよりスムーズな走りや、障害物回避などの新機能を実現できたのは、やはり「ソフトウェアのアップデート」が大きく影響しているという。従来から使用しているアルマが開発されたのは約5年前。最新モデルであるミカのほうが安全性能など、さまざまな機能がより優れているという。わずかな年月で、従来モデルから大きな進化を遂げるという点は、まるでPCやスマホと同じだ。
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