運転手不要のバス、自動運転レベル4解禁の行方 ボードリーが導入する新型マイクロバスの試乗
では、実際に、ミカとはどのようなモデルで、どういった特徴や優位性を持つのだろうか。2023年5月16日に、東京大学柏キャンパス 生産技術研究所の専用コースで実施された、報道関係者向け試乗会を取材したので、その内容を紹介しよう。
自動運転レベル4に対応したミカの特徴
ミカは、バッテリーとモーターで駆動するEVタイプのマイクロバスだ。すでに日本導入されているアルマと同様、自動運転を前提としているため、ステアリングばかりか運転席すらない。
車体サイズは、全長4.2m×全幅1.8m×全高2.5mと非常にコンパクトだが、最大8名の乗車が可能な広い室内を持つ。ちなみにアルマの車体は、全長4.75m×全幅2.11m×全高2.65mで、最大15名の乗車が可能。車体がやや小柄なぶん、ミカのほうが乗車定員も少ない。
だが、ボードリーによれば、「地方の巡回バスなどでの利用であれば、一度にさほど多くの乗客が乗ることはないため、十分な定員数を確保している」という。また、よりコンパクトな車体は、「小回りが利き、(地方などにある)狭い道路での走行にも最適」なのだそうだ。
なお、最高速度は20km/hで、バッテリーの充電時間は約1時間(急速充電モデルの場合)。フル充電で約20時間の走行ができる。比較的短い充電時間で、長時間の走行ができることで、1台あたりの運行時間をより拡大することも可能だ。
自動運転関連の装備では、7台のLiDAR(ライダー)センサーと、8台のカメラを搭載。これらにより、周囲の環境や障害物などを検知し、自動運転を行う。ちなみに、LiDARとは、レーザー光を使ったセンサーのことだ。ユニットから照射したレーザー光が物体にあたり、跳ね返ってくるまでの時間を計測し、車両と物体までの距離や方向を測定する。ミカでは、100~200mというより遠方を検知できる最新のLiDARを採用。アルマなどの従来モデルが搭載するLiDARの場合、検知距離は30~60mだというから、かなり遠方までセンシングできることになる。
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