知らないとマズい「ChatGPT」使う時の法的リスク 企業にはどんな利用ルールが必要なのか
・著作権その他の知的財産権に関する論点
他人が著作権を持つ著作物を生成AIに入力することについての著作権法との関係が論点になります。また、プロンプト自体を著作権その他の知的財産権で保護することができるのかも論点になります。
生成物出力段階の論点は?
次に生成AIの利用の結果として生成物が出力されることについての法的論点があります。
・個人情報・機密情報等に関する論点
生成AIが生成する個人情報については、生成AIの利用者と生成AIの提供者はそれぞれどのような責任を負うべきかが論点となり、個人情報保護法だけではなく、プライバシー権も問題となり、画像生成AIの場合には、生成される肖像について、肖像権との関係等も問題になります。ある人に対する虚偽の前科が回答されてしまうような不正確な個人情報が生成されるという問題への実務上の対応等も検討が必要です。
営業秘密(機密情報)の管理との関係では、プロンプトに入力した営業秘密(機密情報)が他人の質問に対する回答として出力されてしまうことへの懸念への実務上の対応が問題となります。
・著作権その他の知的財産法に関する論点
著作権法との関係では、生成AIにより生成されたコンテンツが他人の著作権侵害になるかどうかの判断基準や、生成AIにより生成されたコンテンツに、著作権がそもそも発生するのか、発生するとして誰に発生するのかが論点になります。
また、生成AIにより芸能人等の有名人の肖像等が生成された場合に知的財産権の1つであるパブリシティ権の侵害になるかが論点になります。さらに、生成AIを使い行った発明について特許権を取得することができるのかなども問題になります。
・その他の論点
企業は、生成AIサービスを自社内部で利用するほか、たとえば、API(アプリケーション・ソフトウェア・ウェブサービス同士をつなぐインターフェイス)を使うことにより、生成AIを利用した自社独自のサービスを提供することもできます。
これらの利用にあたり、生成AIから生成された発言に、誤った発言・名誉毀損等になるような発言・不適切な差別発言等が含まれていた場合に問題が生じます。自社内部利用の場合には、このような生成AIの生成結果を役職員が業務や経営判断に活用した場合に、外部向けサービスの場合には、このような生成結果が出力されること自体について、企業としては、法的・倫理的責任等を問われ得ることになります。
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