空港施設を「闇討ちしたJAL」、社長解任劇の舞台裏 事前通知なしに反対票、理由を語らない大株主

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JALは空港施設株の21%を保有する大株主であると同時に、大口取引先でもある(撮影:尾形文繁)

賛成率はたったの24%、圧倒的な多数での否決だった。

国土交通省OBによる人事介入が問題になった東証プライム上場企業の「空港施設」。6月29日に開催された同社の定時株主総会で、日本航空(JAL)出身の乘田俊明社長の再任が否決されるという異例の事態が起きた。7月5日に関東財務局へ提出された臨時報告書で、その決議の詳細が明らかになった。

乘田氏に行使された反対票の数は、24.9万個(1個は100株)。うち保有株式数から計算すると、反対票の8割以上を占める約21万個が大株主のJALとANAホールディングスによるものとみられる。

空港施設「まさかJALが反対するとは」

ほかの取締役8人の選任議案はいずれも9割以上の賛成率で可決している。仮に大株主2社が乘田氏に賛成票を投じていたら、賛成率は約88%になったものと計算される。大株主2社が乘田氏だけに反対票を投じ、社長を解任した実態が浮かび上がる。

これまでANAHD(持ち株比率21%)は反対票を、日本政策投資銀行(DBJ、同13.8%)は賛成票を投じたことが取材により判明していた。乘田氏の出身母体であるJAL(同21%)は、賛成したか反対したかも含めて「コメントは差し控える」と口をつぐんできたが、今回の決議の結果をもって、反対票を投じたことが改めて明らかになった。

JALは、この投票結果が開示されてからも「議決権行使結果についてのコメントは差し控える。社内検討の上、手続きにのっとり議決権を行使した」と口を閉ざしたままだ。なぜJALは、自社OBである乘田氏の否決に回ったのか、関係者への取材を進めるとその舞台裏が見えてきた。

「取締役候補案を提出した直後は、まさかJALが反対するとは思わなかった」。空港施設の関係者はこう憤る。

次ページ候補案は事前に大株主へ説明していた
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