長寿化やテクノロジーの変化に対応するためには、生き方・働き方も変えていかなければなりません。そのような情勢のため、現在は大勢の人、それは教職員も含めて、学校が今までやってきたことを漫然と続けていいのかという疑問を呈しています。解決策のひとつとして、学校教育を何かしら大幅に変えていかなければならないのは、必然のことです。
教員側もライフ・シフトする時代
――宮田さんはなぜ日本の学校教育を変えたいと思っているのですか。
そもそも教育に興味を持った原点は中学時代。部活の先生が亡くなり大勢の生徒や教え子と思われる人たちが葬儀に参列していました。葬儀を手伝っていましたが、先生という職業は本当に多くの人へ影響を与えるものだと体感し、その興味が大学時代まで続きました。修士論文で新しい教育のうねりについて書いたのですが、アカデミックの世界だけの理論ではなく、学んだ理論や知識などのインプットを社会実装して社会に貢献したいという思いに変わったのです。
産業革命が機械や機器などのハードの力で動く「機械の時代」をもたらしたのに対して、情報革命は人の価値観や思考力などをはじめとするソフトの力で動く「人の時代」をもたらしたと言うことができるでしょう。
近代学校教育に関する諸問題は、産業革命に対応した近代学校教育が、情報革命によって生み出されている新しい社会に対応できていないことによってもたらされている側面があるのではないかと考えています。つまり、「機械の時代」から「人の時代」への移行に関して諸問題が起こっているのではないかと考えています。
その問題は教育格差や教員の働き方改革、授業や学校組織改善など多岐にわたりますが、その問題に対して自分たちなりに創意工夫をして取り組んでいる先生方をはじめとした学校教育関係者がたくさんいます。
そのような学校改善・改革的な取り組みに貢献してみたいという思いが「未来の先生展(現・未来の先生フォーラム)」の創設につながっています。
それはもう汗をかいて(笑)、毎日のようにあちらこちらに出かけて、賛同者を集めました。今では、学校教育業界の関係者約4000人が参加する、日本最大級の教育イベントに発展しています。4000人というのは相当な数で、多くの人が問題意識を持っていることがうかがえました。学校教育に携わる人が、一堂に集まり学んで交流することで新しい学校教育の創造へ貢献しています。
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