ブレーキで旋回性能を高める「フェラーリ・ダイナミックエンハンサー」は今回「2.0」に進化。「エレクトロニック・サイドスリップコントロール(eSSC)1.0」とともに、サーキットでのパフォーマンスを高めるとされる。
フェラーリでXXというと、冒頭でも触れたとおり、サーキット走行と密接に結びついている。FXX-K Evoや599 XXのようなサーキット専用モデルを顧客に提供し、顧客によるサーキットドライブで得たデータを集め、将来のモデル開発に役立てる「XXプログラム」があるためだ。
しかし、今回のSF90 XX ストラダーレは、車名にストラダーレ(いってみれば公道)と入っているとおり、「XXプログラムとは無縁」(ガリエラ氏)という。
それでも、エンジンのパワーアップ、エンジンやブレーキを使っての駆動力制御、ダウンフォースによるコーナリング性向上などを目指したエアロダイナミクスなど、従来のSF90 ストラダーレから、さらに何歩も先に進んだクルマがSF90 XXだ。
スタイリングは「アートとサイエンス」の両立
スタイリングについては、フェラーリでヘッドオブデザインを務めるフラビオ・マンツォーニ氏は、「アートとサイエンスをどう両立させるかを努力した結果です。SF90 XXの課題は、多彩な機能を盛り込みつつ、エレガントなスタイルを作りあげることでした。空力が重要なテーマなので、前後それに側面すべてリデザインしました」と語ってくれた。
さらに「ただし、単に機能を整理すればいいのではなく、特徴を作らなくてはならないので、ハンマーヘッド(シュモクザメ)と呼ばれるフロントのテーマを踏襲し、同時に固定式リアウイングまわりを強調しました」と、マンツォーニ氏は続ける。
リアビューも、フェラーリとしてはデザイン的に斬新なアプローチだ。1つは、言うまでもなく高くそびえたウイングで、それから「ワイドさを強調した」という横バータイプのコンビネーションランプも新しい。そう、4灯デザインから離れたのだ。
また、後輪のタイヤハウスに溜まったエアを吸い出す大きなエアアウトレットを強調するような、ボディ同色の縦のラインが目をひく。これは「トリマラン(三胴のヨット)のイメージ」なのだそうだ。
インテリアは、基本的にはSF90 ストラダーレに近い。ただし、さらに軽量化がひと目でわかるようなデザインとなっている。機能に直結する部分は、カーボンファイバー素材だ。
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