米エネルギー省が福島第一原発事故で受ける年間の放射線量の推定を発表、北西方向に年間20ミリシーベルト超の地域
米エネルギー省は、4月18日、福島第一原発周辺の放射線測定の結果から、周辺地域で事故後1年間で受ける放射線の量の推定を発表した。
それ(→こちら)によると、福島第一原発から北西方向に向かって長さ約40~50キロメートル、幅10キロメートルにわたって、年間の放射線量が20ミリシーベルトを超える高い放射線を受ける推定となった(赤)。1ミリシーベルト超が推定されている地域は南方で80キロ圏を超えている(青)。
この推定は、放射性物質の半減期などは考慮されているが、屋内退避などをした場合による放射線量の減少は考慮されていない(※)。エネルギー省では、放射線量は減少し続けており、3月19日以降、放射性物質のめだった沈降はないと評価している。
なお、日本で平常時の一般人に許容される年間放射線量は1ミリシーベルト(自然放射線分の約2~3ミリシーベルトを除いた分)。日本政府は今回の事故に伴って20ミリシーベルト以上の汚染が予想される地域を計画的避難区域として、住民に避難を求めている。
福島第一原発では15日の2号機爆発による放射性物質の大量放出以降は、深刻な放出はない模様。ただ事態は予断を許さず、新たな放出があれば、この推定より深刻な汚染が広がる可能性はある。逆に放出が抑制され、汚染対策が進めば推定より軽微な汚染ですむ可能性もある。
※現実の生活では屋内にいる時間も長く、放射線対策も取れるため、実際に居住者が受ける放射線量はこの推定値より低くなる。
出所:Department of Energy National Nuclear Security Administration (NNSA)
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