ネスレ、17万人の"コーヒー大使"を率いる男 オフィスで「バリスタ」が市民権を得るまで

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入社式のスピーチで「この会社に入って天職を探します!」と言ったことを、今でもよく覚えているという津田さん。次世代に向けてこう語る。

「10年後、20年後の自分のことがわかる人なんていません。今自分が取り組んでいることが、将来役に立つかどうかなんて、今から思い詰める必要はないのです。常に一生懸命考えて、『これや!』と思ったときに直感で行動してみれば、きっと道は拓けるはずです」

目指すは「ドラえもん」のキャプテンシー

津田さんの話を聞きながら思うのは、人生は「回転寿し」のようだということだ。求めているタイミングにウニやトロがまわって来ないこともある。しかし、ぼーっとしていると、お目当てのネタを取り損なう。

人生も同じだ。漫然と仕事をしているとチャンスに気づかないままスルーしてしまう。常に意識を集中させていれば、いざ自分のところにチャンスがめぐってきたときに、「これだ!」と手を伸ばすことができる。

今後の目標を尋ねると、津田さんは「会社の中で、ドラえもんのような存在になりたい」と話す。「道具云々ではなく、あのスピリット、キャプテンシーがすごい。自分も、同僚や後輩が困ったときに来てくれて、それに一つの解決策を示せるようになりたいのです。それにはまだ経験や人脈が足りないので、今後そこを補強していかなければと」。

川下 和彦 クリエイティブディレクター/習慣化エバンジェリスト

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かわした かずひこ / Kazuhiko Kawasita

2000年、慶應義塾大学大学院修士課程終了後、総合広告会社に入社。マーケティング、PR、広告制作など、多岐にわたるクリエイティブ業務を経験。2017年春より、新しい事業を創造し、成長させることを標榜するスタートアップ・スタジオに兼務出向。広告クリエイティブに留まらず、イノベーション創出に取り組んでいる。著書に『コネ持ち父さん コネなし父さん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『ざんねんな努力』(アスコム)などがある。(撮影:原貴彦)

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