1つ目の塊のもう一方は1万円から500万円以下の層です。この層で全体の19.5%を占めています。0円世帯と合わせて考えると、保有資産の少ない層は42.8%と、相当な規模になります。
もう1つの塊は、全体の17.5%を占めている2001万〜5000万円の層です。大手企業を退職して退職金を受け取っている人であれば2000万円を超える資産を保有していても不思議ではありませんから、この層が突出していることも理解できます。
結果として、平均値は2291万円強となっていますが、中央値は500万円を少し超えたところにあると推計できますから、60代の保有資産を考えるときには、ばらつきの大きさに十分注意する必要があります。
60代、ただものではない!
収入、支出、資産の数値を見てきました。かなりのばらつきがあるとはいえ、平均像は収入550万円、支出は410万円、資産は2300万円。この数字をみると、60代は決して「隠居暮らし」ではありません。
もちろんこれから長い退職後の人生を送るために力を蓄えておく必要はありますが、それにしても収入は30台後半並み(家計調査・収支編で2022年、35〜39歳の勤労世帯の世帯主収入は46.5万円/月)で、資産はその3倍(家計調査・貯蓄負債編で2021年、30代勤労世帯の貯蓄額772万円)というわけですから、今時の60代は「老後」という言葉にはとても似つかわしくない生活をしているように思えます。やはり“只者ではない”のが60代ではないでしょうか。さて、皆さんはいかがですか?
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