「村井國夫78歳・ハリソン80歳」共に貫く現役生活 インディ・ジョーンズの吹き替え続ける理由

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――背筋が伸びる思いですね。

でもそれと同時に、何かを達成するためには、楽しみがなくちゃ駄目。苦しいだけじゃ駄目なんですよ。少しでも達成感があれば楽しめるかなと思ってね。今、サックスの練習を始めたんですよ。あれは肺にいいんです。

僕は心筋梗塞で倒れてるから、血液の循環をよくしようと思ってね。ただむちゃくちゃ下手ですよ(笑)。まったく才能はないんですけども、楽しい。だからまだまだ毎日が日曜日というわけにはいかないですね。来年も何本か芝居が決まってるから、どうしても元気でなきゃいけないんです。

――インタビューなどを拝見させていただくと、後輩の俳優さんたちとのコミュニケーションも良好なようですが、そうした後輩たちとの交流はどうされているんですか?

若手の才能はすごいですからね。だからこいつはスターになるなと思った人をかわいがったり、メシを食わせたりしても損はないでしょ。だって後々、使ってもらわなきゃいけないんだから(笑)。最近はコロナ禍だったから、なかなかメシにも行けなくてつまらないですけどね。

でも本当にみんな、すぐにスターになっていくんですよ。だから彼らを見ていると楽しいですよ。だってデビューの頃に会って、すごいなと思っていたら、いつの間にかどんどんその世界の真ん中に来ちゃうわけですから。そういうのを見てると刺激になります。

ハリソン・フォードへの感謝

――最後に、村井さんにとってのハリソン・フォードとはどんな存在ですか?

とにかく大スターですよね。そして何と言っても「インディ・ジョーンズ」をやるのは十何年ぶりでしょ。その吹き替えを担当することになって、本当にありがたいなと思ているんですよ。ハリソン、ありがとう! という気持ちです。よくやってくれたなと思って、一字一句無駄にせずに、一生懸命吹き替えをやりました。

――やっぱり同じ世代を生きてきたという思いがあるのでは?

そうですね。彼は2つ違いの兄貴なんですよ。だけどいまだに色っぽいしね。本当にすごい人だなと思いますよ。

村井國夫 むらいくにお
1944年生まれ、佐賀県出身。1963年、劇団俳優座養成所に第15期生として入所。卒業後、1966年に俳優デビュー。そして同年に串田和美らと劇団・自由劇場の旗揚げに参加する。その後は舞台やテレビ、映画など幅広く活動している。
壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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