「村井國夫78歳・ハリソン80歳」共に貫く現役生活 インディ・ジョーンズの吹き替え続ける理由
――村井さんといえばハリソン・フォードの吹き替えをイメージする人が多いと思うのですが。
自分の本業は舞台役者だと思っていたので、そこはまったく意識してなかったんですが、でも今回は本当に反響が大きくて。あらためて多くの方がインディ・ジョーンズは村井國夫だと思ってくださっていたんだなと。それはすごく感激しましたね。
――かつてはテレビのゴールデンタイムでしょっちゅう映画が放送されていたので。そのときに村井さんの吹き替え版を観ていた世代も多いと思います。
『インディ・ジョーンズ』が公開された80年代なんかは特にそうでしたよね。それで育った人たちが、映画好きになってくれて。今でも覚えていてくださるのは本当にうれしいことです。
――村井さんは舞台俳優が本業ではありますが、かつては舞台俳優の方がテレビで吹き替え声優をやられるケースは多かったですよね。
そう、舞台役者は多かったですね。それこそ僕らがテレビで見ていた昭和30年から40年代ごろは、近藤洋介さんや滝田裕介さんといった新劇の俳優さんたちがアテレコをやっていましたからね。
やはり皆さん、上手だったんですよ。でも僕はほとんどハリソン・フォードだけで、あとはそんなにやってなかったから。でもそれがかえってよかったのかもしれませんね。
何十年かぶりのオーディションに
――やはり村井さんの声質がハリソン・フォードに合っていましたよね。
4作目の吹き替えをやれなかったというのがずっと心残りだったんですよ。だから今回、最新作と、(最新作公開日と同日に)テレビで放送される『クリスタル・スカルの王国』を担当することになってイッツ・コンプリート! それは僕もそうだし、ファンの皆さまにもそう思っていただけた。それはうれしかったですね。
――今回の最新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』では特に、80歳を超えたハリソン・フォードが現役でインディを演じているということが感動的なわけですが、その吹き替えを、同時代を生きた村井國夫さんが担当されている。そこがさらに感動的です。
これは絶対にやりたいと思っていたんですよ。でも特にオファーもなかったから、事務所の人間に、とにかくディズニーに話を持ちかけてくれとお願いして。そうしたら先方から声を聞きたい、テストをしたいとおっしゃっていただいたんで。もう喜んでテストに行きましたよ。
この歳になると、なかなかオーディションを受けることもないですからね。それこそ何十年ぶりかのオーディションだったんですよ。ミュージカルの『レ・ミゼラブル』以来だったと思います。それで今回やることができたんで、すごく喜んでいます。
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