「村井國夫78歳・ハリソン80歳」共に貫く現役生活 インディ・ジョーンズの吹き替え続ける理由
――ハリソン・フォードが現役で俳優を続けているというのがすごいことですよね。
最近の彼の芝居はすごくいいんですよ。『42~世界を変えた男~』でも球団オーナーの役をやっていましたけど、あれを観て、「へえ、こういう芝居をするんだ」「うまくなったな」と感心してね。あれはすてきでしたね。やっぱりいい歳の取り方をしてるんだなと思いましたね。
――ハリソン・フォードは『インディ・ジョーンズ』だけでなく、『スター・ウォーズ』のハン・ソロなど、当たり役が多いですね。
とにかく僕は彼の邪魔にならないように心がけていました。最初は生意気にも、俺が助けてやるみたいな気持ちでやっていたんですが……というのは冗談ですけど(笑)。
でもハリソンの芝居を邪魔してはいけない。ハリソンのイメージを壊してはいけないと思っていましたね。
ただ最近、初期作品の日本語吹替版をあらためて観る機会があったんですけど、恥ずかしいんですよね、30代の時の声ですから。でも映像自体は今観ても本当にすごいなと思いましたね。
ウォーキングとボイトレが日課
――働く人間として、今でもインディを演じているハリソン・フォードや村井さんのように“生涯現役”で活躍されている方にあこがれがあります。村井さんが仕事をするうえで普段から心がけていることはあるんですか?
やはりこの歳になると、今までの2倍、3倍の努力が必要です。やはり今でもお客さんの前に立つわけなので、みっともない姿は見せられないなという思いがあるわけです。
だから、いつもウォーキングをしています。それから今は声楽を2つのところで習っています。ボイストレーニングですね。そうしないとすぐに弱々しい声になっちゃうんですよ。
――今、お話をさせていただいても、ものすごく声に張りと色気があって。若い頃と遜色ないなと思ったのですが。
いやいや、そんなことはないんですけど。でもこの歳になるとやっぱり今までの努力じゃ本当に駄目なんです。先日、テレビのドキュメンタリーで(坂東)玉三郎さんがコメントをなさっていたんですが、やはり努力をしなきゃ駄目だと。
その努力は、死ぬか死なないかぐらいまでやらなきゃ駄目だと。そこまで突き詰めてはじめてそれが努力だというんですね。それを聞いて、なるほどなぁと。僕なんかまだまだだなと思いましたよ(笑)。
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