シャープ「2600億円巨額赤字」に株主の怒り爆発 社長再任への反対票は2022年と比べて倍増
総会後の経営説明会ではセグメントの再編やディスプレー事業における新製品について、各担当役員から追加で説明があった。11月11日には創業111周年を記念した大規模展示会を東京で開催するという。
鴻海関連以外の株主は3割超が再任に反対
「開源節流などのスローガンはわかったが、業績改善に向けた具体的な説明が乏しかった。シャープに対する鴻海の関心が薄れているのではないか心配だ」。総会終了後に東洋経済の取材に応じた大阪府在住の60代の株主はそう語った。
経営陣に対する不信感は、取締役選任議案の決議結果に如実に表れている。すべての議案が賛成多数で可決されたものの、昨年は5%未満だった呉社長への反対票は10%超へと倍増したことが、6月30日に開示された臨時報告書で明らかになった。
シャープの株式は親会社の鴻海やその関係者が約57%を保有しているとみられる(2023年3月末時点)。鴻海関連以外の株主で考えると、3割超が再任に反対した格好だ。
しかし、少数株主からの信任を回復する手段は限定的だ。2023年3月期の巨額減損で自己資本比率が大幅に低下しており、配当や自己株買いといった株主還元施策を実行することはほぼ不可能。
呉CEOも認めるとおり、株価を回復させるためには業績を改善するほかないが、足元のディスプレー市況は低水準が続く。新規事業創出にも時間がかかる見込みで、今期業績は黒字化すら危うい。
株主・経営陣の双方にとって我慢の時間がしばらく続きそうだ。
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