「パワハラに遭いやすい」40代男性に見られる特徴 上にも下にも気を遣い、疲弊する40代の苦悩

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スタンフォード大学で行われた心理実験では、人が疑いもなく「自分は相手より上」と考えたとき、人間の残虐な部分が表出するという結果が出ました。過剰なプレッシャー、人間関係の悪さ、長時間労働などが、パワハラの引き金になることだってあります。そのリスクを最大限に下げるのが、「上にも下にも気を遣わなきゃならない」という絶望です。

ただし、気遣いは疲れるし、ときに過剰な気遣いが人間関係を悪くすることもあります。なので、「気遣い」を「目配り」にしてください。そこに心はいりません。

そして、もしパワハラらしき行為が見えたら、「あの……若い社員の間でパワハラじゃないかって噂が……」と“上”に警告し、「我慢しないで相談センターに相談したほうがいい」と“下”にアドバイスしてください。「上にも下にも気を遣わなきゃならない」という絶望は、「上からも下からも頼られる人」にあなたを変えるのです。

そして、もしあなたがパワハラにあったら、逃げてください。

たかが「仕事」と気づいてほしい

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前述のユウキさんは異動願いを出し、出世はなくなりました。今は地方の小さな支店の副支店長です。上司は年下です。しかし、幸いなことに彼は今の生活に100%満足はしてないけど、7割は楽しめていると話します。

「僕は逃げた。でも、逃げる勇気を最後に持てたことだけよかったと思っています。逃げたことで少しだけ強くなれたように思います」

ユウキさんはつじつま合わせに成功していました。パワハラにより命の危機にさらされる人たちは多いので、彼が今、こうやって元気にいられて本当によかったと心から思います。

もう一度繰り返します。もしあなたがパワハラにあったら、絶対に逃げてください。パワハラをするような愚かな上司のせいで、人生壊されてたまるもんか。たかが「仕事」なのですから。

河合 薫 健康社会学者・博士、気象予報士

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かわい かおる / Kaoru Kawai

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。千葉大学教育学部を卒業後、全日本空輸に入社。気象予報士としてテレビ朝日系「ニュースステーション」などに出演。その後、東京大学大学院医学系研究科に進学し、現在に至る。「人の働き方は環境がつくる」をテーマに学術研究にかかわるとともに、講演や執筆活動を行っている。フィールドワークとして600人超のビジネスマンをインタビュー。2018年4月に、無責任な上司、仕事と家庭の両立、長時間労働などの職場の問題を考える『残念な職場』(PHP新書)を刊行。

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