「パワハラに遭いやすい」40代男性に見られる特徴 上にも下にも気を遣い、疲弊する40代の苦悩

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「さわらぬ神にたたりなし」という言葉があるように、いじめを目撃しても「自分には関係ない」と放置したり、遠くから乾いた笑いを浮かべながら見守ったり。あるいは、「倫理委員会に報告したら、報復措置をとられるかもしれない」と考えたり。

そんな見て見ぬふりをする同僚たちの行動が、いじめられている人をさらに追い詰める。誰にも言えなくなる。逃げる気力も失せる。そして、傍観者は傍観者にさらに徹していくのです。

2020年に「パワハラ防止法」が施行

日本では、やっと、本当にやっと2020年6月1日より改正労働施策総合推進法、通称「パワハラ防止法」が施行されました。パワハラ防止法では、具体的な防止措置を企業に義務化し、厚生労働大臣が必要と認めた場合、企業に対して助言や指導、勧告が行われるようになりました。

しかし、罰則の規定はなし。国際労働機関(ILO)の「働く場での暴力やハラスメント(嫌がらせ)を撤廃するための条約」ではハラスメントを「身体的、精神的、性的、経済的危害を引き起こす行為と慣行」などと定義し、それらを「法的に禁止する」と明記しています。

しかし、日本は「禁止」の文字を最後まで入れませんでした。「法的に禁止」→「損害賠償の訴訟が増える」という流れが予想されるため及び腰になった。日本は「人」より「企業」を優先したのです。

ジェンダー問題しかり、最低賃金しかり、ハラスメントしかり……。どれもこれも「人の尊厳」という、ごく当たり前に守られるべき問題なのに、正面から向き合おうとしないのが、「僕たちの世界です」。

最後の体育会系世代の40代は嘆きます。上にも下にも気を遣わなきゃならない、と。世の中ハラスメントが多すぎ、ただでさえキャリアが弱い自分は若い世代への対応が難しいのに、と嘆く人もいます。たしかに気を遣うのは疲れるかもしれません。

でも、「気遣う」とは相手を尊重すること。相手を「人」として見ていること。それはパワハラの加害者や傍観者に欠けている、極めて大切な心の力です。

ですから「上にも下にも気を遣わなきゃならない──という絶望」は、ある意味において職場の希望なのです。その希望がある限り、みなさんがパワハラの加害者になることはありません。上司に嫌われる勇気があれば、傍観者になることもありません。

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