日本でも承認「肥満治療薬」にあるこれだけの課題 「オルリスタット」薬局販売のメドが立たず

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これについて、狭間医師はこう述べる。

「これは薬剤師の業務だけでなく、薬局の仕組みから考え直す必要があります。例えば、測定をするのであれば、ほかのお客さまがいる前で測るわけにはいきませんから、そういうスペースを作る必要もあります。そういうことも含め、薬局が単に薬を売る場所でとどめるのか、それとも総合的に皆さまの健康をサポートするヘルスケアステーションに変えていくのか、そこは薬局の取り組みにかかってくる部分でしょう」

わが国の健康施策事業である健康日本21(第二次)の目標項目の1つに、「メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の減少」がある。だが、昨年10月に発表された第二次の最終評価では、「悪化している項目」の1つに挙がっていた。

前出の宮田医師は産業医として会社員の健康に携わっているが、「20代、30代の肥満者は実際、増えています。中性脂肪とかが明らかに高い人も本当に多い」と嘆く。

こういう人たちのセルフメディケーションの1つとして、内臓脂肪減少薬を使っていくのは悪くないのではないかと思うが、宮田医師はこう語る。

「本当は望ましいですが、現実には難しいです。まず、医師会がこういうセルフメディケーションの領域に対して前向きではなく、まだ肥満症に対する薬の使い方に対するコンセンサスが得られていないのです。少なくとも、肥満領域に関して生活習慣病を専門とする医師は、オルリスタットを勧めたりはしないでしょう」

他の肥満治療薬は薬価収載が見送られる

実は今年に入り、オルリスタットとは違う作用機序で内臓脂肪減少をもたらすGLP‐1受容体作動薬のセマグルチド(ウゴービ)が、肥満症の適応として健康保険が認められた。

だが、5月の段階で薬価収載が見送られている。過去にはコレステロールを下げる生活習慣病治療薬として初めてスイッチOTCとなったイコサペント酸エチル(エパデール)も、「販売基準が厳しすぎて広がらなかった」(前出・狭間医師)という。

薬を飲めばやせられる、とばかり薬に頼って暴飲暴食するのはもってのほかだが、どうしても仕事の付き合いや別の理由で、食事や運動での対策が十分に取れない人たちもいるのは事実だ。だが、日本での肥満症対策は、今後もしばらくは「食事+運動をがんばるしかない」ということのようだ。

鈴木 理香子 フリーライター

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すずき りかこ / Rikako Suzuki

TVの番組制作会社勤務などを経て、フリーに。現在は、看護師向けの専門雑誌や企業の健康・医療情報サイトなどを中心に、健康・医療・福祉にかかわる記事を執筆。今はホットヨガにはまり中。汗をかいて代謝がよくなったせいか、長年苦しんでいた花粉症が改善した(個人の見解です)。

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