次の標的はツルハHD、ドラッグ再編迫るオアシス ファンドの狙いはガバナンス強化と業績改善

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経営統合相手の候補と目されるのが、業界首位でイオン子会社のウエルシアホールディングスだ。イオンはツルハHDに13.35%を出資し、イオンの岡田元也会長がツルハHDの社外取締役を務めてきたが2021年に退任している。

現在、取締役会長は創業家3代目で81歳の鶴羽樹氏が、代表取締役社長は会長次男で49歳の鶴羽順が務める。業界内では「ツルハHDの創業家によるイオン離れ」と見られていたが、再び両社は接近することになるのか。

他の株主の動きも活性化している。6月15日までに野村アセットマネジメントと共同保有者が5.02%へ買い増している。5月15日時点で7.59%保有するカナダの投資会社メイワー・インベストメント・マネジメントや、6月15日時点で5.62%保有するイギリスの資産運用会社オービス・インベストメント・マネジメントなどの動向も注目される。

イオンに加えてこれら株主が味方することになれば、オアシス側の持ち株比率は3分の1を超える可能性もある。オアシスのフィッシャー氏は「株主同士で意見交換は活発に実施しており、経営陣との会話もプロアクティブ(積極的)に行っている」と説明する。

三つどもえの業界再編も

オアシスは5月に、北陸地盤のクスリのアオキホールディングス(HD)の株式5.5%も取得している。目的はツルハHDと同様に「ポートフォリオ投資および重要提案行為」。クスリのアオキHD株式はイオンが9.98%、ツルハHDも5.13%保有している。ファンド主導による三つどもえの業界再編が、いつ起きてもおかしくない状況にある。

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