サンドラッグ「実力派会長」の電撃辞任に映る焦燥

「業界の天才」が築いた利益重視経営から転換へ

ドラッグストア業界で大手の一角を占めるサンドラッグ。写真はCVS虎ノ門店(記者撮影)

大手ドラッグストアのサンドラッグで、「実力派会長」が電撃辞任した。

5月10日、サンドラッグは「代表取締役の辞任に関するお知らせ」と記さした1枚のリリースを開示した。辞任したのは代表取締役会長の才津達郎氏(73)。本人から辞任の申し出を受け取締役会で承認したとあるが、辞任の理由については「一身上の都合」と記されているだけだ。

同業他社の幹部社員が「急な辞任だったので、驚いた」と話せば、別の業界関係者も「まさか功労者の才津会長が辞任するとは思わなかった。何かあったに違いない」といぶかしむ。

突然の発表に周囲がざわつくのには理由がある。辞任した才津氏は、サンドラッグの「中興の祖」とも言える人物だからだ。

社長在任中は20期連続で増収増益を達成

1957年に東京都世田谷区で多田幸正氏(故人)が創業したサンドラッグは、1965年からチェーン展開を開始。現在は東京を中心に全国で「サンドラッグ」を展開するほか、ディスカウントストアの「ダイレックス」を運営する。総店舗数は1216店、2020年度の売上高は6343億円だ。上場ドラッグストア13社の中で売上高は4位と、大手の一角を占める。

才津氏は1994~2013年の20年近く社長を務め、その後も会長として経営に携わってきた。社長在任中は20期連続で増収増益を達成。1994年度には279億円だった売上高を、2013年度には4478億円にまで押し上げた。営業利益はこの間、22億円から280億円と、実に12倍以上成長させた。

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