ーードラッグストアの中で、なぜツルハHDに株主提案をしたのですか?
現在のツルハHDは、アンダーパフォーム(収益性などが基準に達していない)の状態だ。われわれは成長余地のあるビジネスを安く買う方針で投資しており、ツルハHDには業績改善のポテンシャルがある。
株主として企業が成長する手助けをすることで、すべての人に良い結果をもたらすことができるだろう。例えば、顧客には幅広い品ぞろえを提供し、従業員には収益性向上による賃金の上昇、株主にとっても良い結果をもたらすことが可能だ。
ーー株主提案の資料では、会長と社長の力関係の推察や、創業家と社外取締役の関わりなどを詳しく指摘し、深く問題を掘り下げています。
すべて内部のチームメンバーが、公開情報を含めた外部の情報源を使いながら調査している。他社よりも多くのことを長期間調べ、知ろうとする体制を私は誇りに思う。
ツルハHDについては何百時間という時間を費やして調査し、対話はすでに3年間続けている。業界事情やビジネスの形態に関しても深く調査し、かなりの金額を投資している。通常、われわれの提案に耳を傾けてくれる協力的な会社が多い。
だが今回は上場企業にもかかわらず、そうした姿勢は見られなかった。最終的には、ビジネスに大きなインパクトを与える変化を起こしたい。
ツルハHDの反論をどう受け止めるのか
ーーガバナンスに問題があり、業績が停滞しているとの主張ですが、ツルハHDは「根拠がない」と否定しています。
父親が子供を監督する構造は、創業家にとっては良いかもしれないが、それ以外のステークホルダーに対しては、マイナスだ。顧客に対しても、3万人以上いる従業員に対してもだ。
例えば、ツルハHDは、人事面でも創業家を優先してきたように思える。というのも、子会社ではスキャンダルを起こした本人(過去に調剤報酬の不適切な請求等が発生した、くすりの福太郎の小川久哉社長)を再び社長職に戻すような人事もあった。成果主義ではなく、創業家を優先していては、ベストなビジネスはできないと考える。
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