インテリアは、床下に排気管が通ることがないBEVらしく、床面がフラット。おもしろいのは、「空間の広さを強調すると同時に、使用パーツをできるだけ減らしたかった」(インテリアデザイン担当のリサ・リーブス氏)というコンセプトだ。
通常、ドアに設けられているウインドウ開閉スイッチも、センターコンソールに配され、ダッシュボードのコントロール類のほとんどが、12.3インチモニター内に移された。
インテリアは「スカンジナビアの自然からイメージした」(リーブス氏)という落ち着いた色で統一され、ゆるやかなカーブもやはり「自然のイメージ」だという。
ダッシュボードのパネルの一部は、窓枠などに使われるプラスチックのリサイクル材から作られたもの。シート表皮も同様にリサイクル材が使われており、ウールに見えても70%が再生ポリエステルといった具合だ。
ボルボは、リビングルームのようなインテリアのテイストからもファンが多いだけに、リサイクル材を使っても手を抜いていない印象だ。審美的な価値は高いし、感触もまるで服飾のように、手で触れていて気持ちがいい。
要するに、このあたりの徹底ぶりが企業姿勢を明快に表していて、リサイクルを含めてBEV(=カーボンフットプリント減少)に向かうコンセプトの正当性を感じさせるのだ。
日本でも2023年中に発売予定
ヨーロッパでは約3.6万ユーロ(約556万円)が、EX30のスターティングプライス。上は「5万ユーロを超える」(セールス担当重役のビヨン・アンワル氏)そうだ。日本でも2023年中に発表および発売になるというが、価格などの詳細は未発表。
3.6万ユーロという価格に、ボルボは大いなる自信を持っている。それに対して、フォルクスワーゲンが近々の発売を予定している「ID.2 all」は、2.5万ユーロ以下になるという。1.1万ユーロもの差は、やや不利ではないか。
その疑問をぶつけてみると、「属しているセグメントが異なるし、そもそもの装備内容が違う」(アンワル氏)という答えが返ってきた。
「私たちはEX30の価格設定によって、これまでより若い層や、エンプティネスト(子どもの独立で家族構成が小さくなった層)など、新しい顧客を惹きつけられると思っています」
ローワンCEOは、ボルボのありかたに大きな自信を見せるのだった。レクサスとは異なる“一直線戦略”をEX30に見た。
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