メルセデス・ベンツのBEV(電気自動車)に特化したサブブランド「EQ」の歴史は、2018年9月にワールドデビューを果たしたメルセデス・ベンツ「EQC」によって幕が開いた。つまり、おおよそ4年半が経過したことになるが、その間にラインナップは着々と拡大を続けている。
当初のモデルは内燃エンジン車と車体の基本部分を共有していたが、2021年にはラージクラスセダンの「EQS」でBEV専用プラットフォーム「EVA2」を投入。以後、ミドルクラスセダンの「EQE」、近日中の日本導入を予定している「EQS SUV」と、その採用車種は瞬く間に増えてきている状況だ。
そして昨年10月にパリを舞台に発表された最新モデルが「EQE SUV」である。EQシリーズ登場から丸4年というタイミングで姿を現したこのミドルクラスSUVは、EVA2プラットフォームの高効率性をさらに推し進め、またサステイナビリティへの取り組みも、一歩先に進んだ存在となっていた。
最高出力292PS、最大トルク765Nm
ポルトガル、リスボン近郊で開催されたプレス向け国際試乗会でテストドライブしたのは、日本にも上陸することが有力な「EQE 350 4MATIC」というグレードだった。車体の前後2基の電気モーターを搭載した4輪駆動車で、スペックはシステム最高出力292PS、最大トルク765Nmにも達する。
スペックシートを見ても駆動用リチウムイオンバッテリーの容量は記されていないのだが、昨年10月の発表の際に現地で聞いたところでは、同じEVA2プラットフォームを用いるEQEセダンと同じ90.6kWhということだった。一方、航続距離は460-551kmと記載されている。あるいは今後は、こうして航続距離だけが示されて、バッテリー容量はあえて表記しない方向なのかもしれない。
効率性向上、つまりは電費を改善し航続距離を伸ばすためにEQE SUVにはさまざまな方策が採り入れられている。
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