VWの新世代EV、「ID.2all」が映す強烈な危機感 2026年までに発売、今見せなければならない訳
フォルクスワーゲン(VW)は3月15日、ドイツ・ハンブルクで開催したイベント「FOR THE PEOPLE」の会場で、BEVコンパクトカーのコンセプト「ID.2all(アイディー・ツー・オール)」を初披露した。販売価格2万5000ユーロ(約350万円)を実現する手頃なBEVとして、2026年までの正式投入を予定しているという。
私は実際に会場で、そのアンベールに立ち会うことができたのだが、このID.2all、まず驚かせたのはデザインだった。フォルクスワーゲンは2020年に発表したID.3以降、BEVシリーズのIDシリーズには有機的なフォルムやディテール、つり上がったような目つきのヘッドライトなど共通のデザイン言語を与えてきたが、ID.2allはそれらとはまったく異なり、シンプルな直線を基調とするフォルムで描かれている。きっと誰もが「フォルクスワーゲンらしい」と感じるデザインである。
すべての原点は「ゴルフ」
実際、ID.2allはワイドなトレッドや大径タイヤ&ホイールなどにより安定感あるスタンスを表現する一方で、フロントマスクには親しみ感が持たされ、そしてCピラーが強調されたデザインとされている。改めて説明する必要はないだろう。これらすべての原点は「ゴルフ」だ。
実際には単なる焼き直しなどではなく、Cピラーは太く「く」の字を描くだけでなく、リアフェンダーまで回り込むような造形とされているし、左右端まで連結されたヘッドライト、テールランプなどはID.3以降使ってきたディテールの発展版ともいえる。しかし、いずれにしてもこのデザインが原点回帰を志向したものであることは間違いない。
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