フェラーリ「プロサングエ」に見えた究極の境地 SUVルックで初の4ドアは走りも造形も桁違いだ

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SUVルックで初の4ドア、フェラーリ「プロサングエ」は、走りも造形も桁違い(写真:Ferrari SpA)
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フランスとの国境にも近いイタリア北部のスキーリゾート、ピンツォーロにて、話題のフェラーリ「プロサングエ」を初めて試すことができた。とはいえ、訪れた2月末には雪もだいぶ溶けていて、ウィンタータイヤこそ履いていたものの路面はほぼドライ状況での走行となった。

改めて言うまでもなく、今どきの自動車トレンドの最先端はSUVである。ハイエンドのプレミアムカーセグメントでは、その傾向がさらに顕著。ランボルギーニやアストン・マーティンといった生粋のスポーツカーメーカーも、あるいはロールス・ロイスやベントレーのようなラグジュアリーカーブランドも、こぞってこの市場に参入していることをみれば、それは明らかだ。

これはSUV? スポーツカー?

そうなればフェラーリとて、その流れを無視するわけにはいかない。ブランドとして初めてのSUVとなるプロサングエを、ついに投入してきた。

いや、こうした表現は本拠地マラネロの面々、おそらく全力で否定してくるはずだ。「プロサングエはSUVではない。あくまでスポーツカーだ」というのがフェラーリの見解である。イタリア語でサラブレッドを意味する車名にも、そんなプライドが表れている。

彼らはこの最新の跳ね馬を、むしろその長い歴史の中で、実はとても重要な役割を担ってきた2+2のシートレイアウトを持つGTモデルの系譜にあるモデルだと称する。例をあげるならば、1960年代に北米市場で高い人気を誇った「250GT 2+2」や「330GT 2+2」は有名だし、近年では「456GT」「612スカリエッティ」、そして「FF」や「GTC4ルッソ」といったモデルが思い浮かぶシリーズだ。

しかしながらプロサングエがこれらと決定的に異なるのは、まず高い地上高そして全高を有すること、そして4枚のドアを持つことである。いずれもフェラーリとしては史上初ということになる。

「それってつまりSUVということでしょ?」と言われそうだが、実車を眺めてみるとプロサングエは、まずプロポーションが世間巷のラグジュアリーSUVとは一線を画している。全長4973mm×全幅2028m×全高1589mmというサイズのボディーは、きわめて長いフロントノーズを持つのだ。

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