日台メディア連合がナスダック上場を目指すワケ メディアジーンを率いる今田素子CEOに直撃
WSJ元編集長がSPACの会長
――どのようなきっかけで今回のスキームが生まれたのでしょうか。
イード社長の宮川洋さんの紹介でTNLのCEOであるジョイ・チャンと初めてオンラインで話をしたのは昨年10月のこと。ここがすべての始まりだ。
2013年に創業したTNLは、ニュースとライフ系のウェブメディアを多く運営する台湾の新興メディア企業。2022年に日本支社をつくって日本での事業展開を進めていくうえで、日本における提携先を探していたようだ。何か一緒にできないか、ということでいろいろな話をした。
話をしていく中で感じたのは、同じ志を持っているな、ということ。TNLとメディアジーンは、企業のサイズがほぼ同じ。メディアやテクノロジーへの考えも非常に近い。出会ったときには、先方も単独での株式上場を目指していたし、メディアジーンとしても日本での上場を想定していたのだが、経営統合することでやれることが広がる、ということで話が盛り上がり、一気に進んだ。
――ちょうどよいSPACをよくみつけてきましたね。
今回、重要なのはSPACの会長、マーカス・ブロクリの存在だ。彼はウォール・ストリート・ジャーナルの編集長(2007~2008年)、そしてワシントンポストの編集長(2008~2012年)を務めたメディア界の大物。BOCNの株主であるノースベースメディア(NBM)がTNLの株主なので、このSPACと統合を行うアイデアがすぐに出てきた。
マーカスは名門新聞のデジタル化を率いた人物で、ウェブメディアへの造詣も深い。ご本人が「DIGIDAY」のファンとのことで話が早かった。マーカスが私たちのチームを信頼してくれたことでアメリカ上場の道が開けた。マーカスとの出会いがあったからこそのSPAC上場だ。
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